【いつもだれかが…】
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|著者:ユッタ・バウアー/上田真而子
|徳間書店|2002年 12月
|ISBN:4198616264|1,700円
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しっとりとした大人の絵本。
もちろんこどもが読んでもいい。大人になり年をとったときに、そういえ
ばあんな本読んだっけ・・・って思い出せたらいいねぇ。
おじいちゃんがベッドに横になっている。ベッドの下には尿瓶がある。
孫がやってきて、おじいちゃんの話を聞く。
おじいちゃんである「わし」の一人語りだ。
こどものころ、いろいろ危ない目にあったけど助かった話。
大人になり戦争やいろんなことで苦労があった話。
その後結婚もし、パパになり、おじいちゃんになり・・・
いろんなことがあった。
いつも、どこかでだれかが見守ってくれてたんじゃ・・・
そんなお話がシンプルな挿絵で展開する。
絵本の中の天使は、いつも「わし」のことを見守ってくれ、危ない場面や
ここぞという場面で助けてくれる。
しかも、ちょっとユーモラスな天使として描かれている。
見えない存在を見えるようにして描いたところが素敵だ。
人は、自分ひとりで生きてこられたんじゃないと思うときがある。気がつ
かず、意識もしない「その存在」は、人によって違うのだろうけれど、ふ
と、自分の人生を思い起してみるのもいいかもしれないね。
そうすると、どこかで宇宙につながる自分が見えてくるかもね。
そのつながりは、過去から今にそしてずっと先の未来にもつながっている
んだろうな。
ヨーロッパの人たちを感動の渦にまきこんだという絵本。民俗や宗教観を
超えた静かな感動がある。ウルっとしてみたい人、ぜひ。
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★★★★☆+しらないところで・・
・生きている幸せをかみしめたい方
・新しい人生を考えている方
・季節の風を感じた方