一生あえなかったかもしれない・・・
【あらすじで読む世界の名著(No.1)】
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|著者:小川義男
|樂書舘/中経出版|2004年 03月
|ISBN:480611927X|1,000円 (税込:1,050円)
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あらすじで読む「日本の名著」シリーズはとてもよかった。あらすじとい
っても、その作品の雰囲気を残したスタイルで、あたかもその作品に触れ
たような気にさせてくれたからだ。全3巻ですでに50万部を超えている
というからベストセラー驀進中である。
第3巻の時、世界の名著版もあればいいなーと感想を述べたが、やはり、
やってくれた。それが、この本。
代表的な世界の小説をあらすじで紹介してある。
「風と共に去りぬ」「怒りの葡萄」「車輪の下」「レ・ミゼラブル」「罪
と罰」「リヤ王」など20編のダイジェストだ。
「風と共に去りぬ」は映画で見た。実は、あんまり印象がよくなかった。
なんじゃこの風見鶏みたいな女性は・・と思った。文字(あらすじ)で読
んでみるとたくましく生きた女性の物語が別の感覚でよみがえる。
「車輪の下」は、たしか小学校(中学?)の教科書に出ていたような・・
「レ・ミゼラブル」は、中学のころ感動して涙をながした物語だなぁ・・
などなど、なつかしい作品もある。
一方、ドストエフスキー、ツルゲーネフ、モーパッサンなど歴史の教科書
でしかなじみの無い作品は、おそらく一生読むことはなかっただろう。そ
れが、作品そのものではないにしろ、一遍のあらすじとして触れることが
できたのはラッキーとしか言いようが無い。
コンパクトなあらすじの中に作品の雰囲気を漂わせる。これは一つの技で
あろう。狭山ヶ丘高等学校の先生方に感謝!
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★★★★☆+ドストエフスキー
・世界文学に興味ある方
・名著なんて読んだことないよって方
・昔読んだ本をもう一度って方