【すでに始まっている未来】
会社は、サラリーマンは変われるか
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|著者:江坂彰
|NTT出版|2003年 12月
|ISBN:4757121237|1,600円 |261P
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今自分が生きている時代などんな時代なのか・・・時間の流れを宇宙的な
視点から眺めることができたら面白い。しかし、それは難しい。たとえば
明治維新を生きた人たちが自分たちの歴史的役目を意識することは難しい
ことだったはず。「俺が時代を変えるんだ」と時代の風を切った人も、自
分のポジションをはっきりと意識することは困難だったに違いない。
今、この時代に生きている私たちも同じだ。なんとなく時代の変化を感じ
るが、それを明確に絵にしたり文章にするのは難しい。
この本は、そんな要請に応えてくれている。もちろん先のことは分らない。
しかし、きっとこんな流れの中にいるはずだという分析は、そっかーと思
える説得性があり、今、そこにもある「未来」への取組みを意識させてく
れる。
時代は、工業化社会から情報化社会へ大きく変わってきた。それを、いろ
んな人がユニークな言葉で表現している。
ドラッカーは「知識社会、知識労働者の時代」、界屋太一は「知価社会」
岩井克人は「ポスト産業資本主義社会」と表現した。トフラーは第三の波
で「情報革命」という言葉を使った。
本書の著者江坂さんは「ソフト化社会」と呼んでいる。
本書は、歴史、文化、世の中のサービス・製品、経営など様々な要素を鳥
瞰できる楽しい本だ。
ちょっと面白いフレーム分析を書いておこう。
日本的工業化社会の構図 = 重厚長大型企業+銀行+官僚
工業化社会の情報トライアングル= 大手町(丸の内)+霞ヶ関+永田町
ソフト化社会で売れる商品3要素= 実質的価値+意味的価値+感覚的価値
ソフト化社会の企業価値 = 顧客価値+株主価値+社員価値
このほかにもたくさんの気付きを与えてくれる具体的なエピソードやヒン
トがある。(このメルマガの内容のほかにもいくつかメモをした)
すでに始まっている未来を、眺めてみよう!
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★★★★★+そこにある未来
・近未来に興味ある方
・鳥瞰するのが大好きな方
・自分の位置をはかってみたい方