【モリー・ムーンが時間を止める】
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|著者:ジョージア・ビング/三好一美
|早川書房|2004年 01月
|ISBN:4152500166|1,800円|482P
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本書は『モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語』の続編である。
前作では、孤児院の前に捨てられていたみなしごモリーが、あるとき自分
には催眠術の力があることに気付き、様々な冒険をする。孤児院で一緒だ
ったロッキーは大事な友達だ。息もつかせぬ展開で、正直、子供だけに楽
しませるのは、まったくもってもったいない!と思った作品だった。
そして、第二弾。
あの「ワクワク光線ぎらりモード」の第一弾でさえ、前座に過ぎなかった
のかと思わせるほど、さらにパワーアップした物語だ。いやーまいった。
綿矢りさ&金原ひとみの芥川賞もかすんでしまうほどのすばらしい作品だ
と思う。
さて、ストーリーだが・・・
催眠術の力をさらにパワーアップさせたモリーが、今度はアメリカを舞台
に大活躍をする。なんとモリーには、時間をとめる力がそなわったのだ。
アメリカ大統領選挙やアカデミー賞授賞式など舞台設定も素晴らしい。プ
リモ・セルという悪者をやっつけるというストーリーなのだが、宇宙の摂
理や人間の優しさなど深遠なテーマも感じさせる。
時間を重ねて止めるスリリングなシーンは、映画マトリクスより刺激的な
展開がある。また、モリーの出生の秘密は、読者をモリーの心のなかに誘
いこんでくれるだろう。
さて、今日は特別編として、ある小学生の感想文をご紹介したい。
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モリーは、催眠術を使って世の中の支配をたくらんでいるプリモ・
セルという人がアメリカにいることを知る。そして、モリーとロッ
キーは、そのプリモ・セルをやっつけるためにアメリカへ行く。
そこでモリーは、自分には時間をとめる力があることに気付く。
ロッキーはなかなか信じてくれないので、わざと時間を止め、ロッ
キーにイタズラをするところがおもしろい。
この話で一番ドキドキする所は、モリーとxxxが時間を何度も重
ねて止めて戦う所。まるで自分もその場所にいるような気分になっ
てとてもワクワクする。
一番好きなところは、モリーがモリーの・・・(ここは言えない)
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自分が感じたワクワク感をうまく表現しているねぇ・・。分かる分かる。
この小学生とほとんど同じようにモリー・ムーンの世界に雄飛していた自
分を発見し、なんだかうれしくなった。
僕は、この本は、今年の最高傑作だと思う。
大部な本にもかかわらず、時間と場所を忘れて読みふけってしまうちょっ
と危険な本だ。僕は1週間をかけじっくりと味わって読んだ。
先日講演に行った田舎の中学にも何冊か寄贈することにしよう。
この本、ぜひ親子で読んで欲しい。ちょ、超~~~おすすめの本だから。
(あ、前作を先に読んでおくと最高だね)
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★★★★★+読まずにいられない光線(☆.☆)彡
・宇宙と時間と心に興味ある方
・ハリーポッターに夢中だった方
・子供のころの純真な心のカケラが残っている方