岐阜県の方+他県の方、読んでね!
【飛騨の空】
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|著者:立花光
|文芸社|2003年 11月
|ISBN:4835566351|1,100円 |209P
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岐阜県の北部、飛騨高山は、匠の里として有名だ。この本は、高山を中
心に奥飛騨を舞台にした小説である。立花氏の処女作品。
五十嵐愛子という25歳の女性。医院に勤務しているとき、患者として
訪れた橘雄介と親しくなる。やがて恋に落ち、結婚を意識するようにな
った矢先、愛する恋人は交通事故で死んでしまう。そして死の間際で知
った彼の裏切りに茫然自失する。
高山線の特急ワイドビューひだ号に乗って高山に向かう愛子の一人旅は
、憎悪と失望が渦まく死への旅路だった。
高山で乗ったタクシーの運転手、吉田は、乗客のただならぬ雰囲気を察
し、愛子に様々な話を語る。この物語をささえる重要人物だ。
生と死を見つめて旅する愛子の心の動きを追いかけながら、旅の旅情も
味わえる。野麦峠、高山、白川郷などが登場する。
最後の意外な展開は、しっとりとした落ち着きをこの小説に持たせてあ
る。
高山旅行をする人は、旅の楽しみにちょっと異質なトッピングをカバン
に忍ばせていってもいいね。
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★★★★+飛騨路
・飛騨高山に興味ある方
・小説をもって旅にでたい方
・岐阜にいる方