【働き方働かせ方】
社員と会社の新しい関係
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|著者:宮内健
|旬報社|2003年 12月
|ISBN:4845108305|1,400円|205P
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今ほど会社と個人の関係が、問い直されている時代はないのではないだろう
か。かつての大企業ももはや社員を一生(といっても60までだが)面倒み
るような余裕はない。
いまだに企業の名前だけで就職を希望する学生が多いなか、インターン制度
などを利用して就社ではなく就職する学生も増えてきている。
企業も個人もいろんな意味で見直しを迫られているのが今日の仕事事情とい
える。
本書には、様々な企業における個人と会社の関係がルポされている。
宮内さんの目を通した分析は、へぇーという驚きとともに、なにか新しい胎
動を感じさせてくれる。
登場する企業は、イトーヨーカドー、イーディーコントライブ、トヨタビス
タ高知、グローバルダイニング、希望社、リクルートなどだ。
最後に登場するリクルートにおける社員と会社のしなやかな関係は、すでに
多くの本が出されているが、本書でもクリア・カットな解説がある。
会社は社員にある程度の自由な環境を与えるかわり、きっちり成果は求め、
社員も会社に依存する甘えの構造をやめて、自立した自分を作っていく・・
そんな時代がやってきたいようだ。
それを抽象的な言葉ではなく、現場のナマの様子で紹介しているところが、
本書の素晴らしいところだ。
これまで1000社以上取材したという宮内さんの人と組織を見る眼力が光
っている。
うーむ・・とうなり、さて自分は・・・と考えるヒントがある。
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★★★★☆+しなやかな関係
・働き甲斐を考えてる方
・転職を考えている方
・仕事が好きという方