2004年03月22日

■企画力(田坂広志)

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  企画とは推理小説である?

企画力
        「共感の物語」を伝える技術と心得
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   |著者:田坂広志
   |ダイヤモンド社|2004年 03月
   |ISBN:4478732809|1,400円 (税込:1,470円)
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 「企画とは?」という問いに、田坂さんは「人間と組織を動かす力」と答
 えている。分析とかロジカルシンキングとかそいういうステージではなく
 動かす力というところがポイントである。
 
 田坂さんは昔、バッテル研究所というアメリカのシンクタンクに勤務して
 いた。そこではいくらよい企画でも採用されなければ「ガベッジ=garbage」
 だと言われていたそうだ。採用されない企画は紙くずに過ぎないというわ
 けだ。プロとして持つべき覚悟を学んだと、その時の模様が紹介されてい
 る。つまり、実現に繋がらなければ何の意味ももたないのが企画である。

 企画力とは「企画を立案する力」のことではなく、「企画を実現する力」
 である・・・これが本書の最も重要なメッセージだ。

 では、人や組織を動かし、走り出す企画書を書くにはどうしたらいいか・
 ・・それが本書のテーマだ。

 企画書は、行動に駆り立てられるような共感の物語になっていなければな
 らない。だから、企画とは物語のアートである、という。
 また、最高の企画書は、最高の推理小説であるともいう。

 こういう企画に対する深いレベルの「覚悟」のほか、タイトルで「企み」
 を語る掴みの技、「何を行なうか」より「なぜ行なうか」が大切、自問自
 答のスタイルがよいなど、なるほどぉーというノウハウもうれしい。

 企画書の第一ページでは、ビジョンを語れという。
 ビジョンとは未来像とか未来の姿といった静的なものではなく、「これか
 ら何が起きるか」という動的なイメージを込めて語るのが良いのだ。
 その次になすべきことは、企みを「構造化された目標」として語ることだ。

 これらの具体的ノウハウが、IT革命の事例をサンプルにして解説されて
 ている。具体例があってとてもイメージしやすい。

 ビジネスパースン、必読の書。 

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   ★★★★★+実現する力

 
   ・企画関連部署にいる方
   ・企画するのが大好きな方
   ・僕の企画が実現したっていってみたい方

Posted by webook at 2004年03月22日 17:31