【企画力】
「共感の物語」を伝える技術と心得
=========================================
|著者:田坂広志
|ダイヤモンド社|2004年 03月
|ISBN:4478732809|1,400円 (税込:1,470円)
=========================================
「企画とは?」という問いに、田坂さんは「人間と組織を動かす力」と答
えている。分析とかロジカルシンキングとかそいういうステージではなく
動かす力というところがポイントである。
田坂さんは昔、バッテル研究所というアメリカのシンクタンクに勤務して
いた。そこではいくらよい企画でも採用されなければ「ガベッジ=garbage」
だと言われていたそうだ。採用されない企画は紙くずに過ぎないというわ
けだ。プロとして持つべき覚悟を学んだと、その時の模様が紹介されてい
る。つまり、実現に繋がらなければ何の意味ももたないのが企画である。
企画力とは「企画を立案する力」のことではなく、「企画を実現する力」
である・・・これが本書の最も重要なメッセージだ。
では、人や組織を動かし、走り出す企画書を書くにはどうしたらいいか・
・・それが本書のテーマだ。
企画書は、行動に駆り立てられるような共感の物語になっていなければな
らない。だから、企画とは物語のアートである、という。
また、最高の企画書は、最高の推理小説であるともいう。
こういう企画に対する深いレベルの「覚悟」のほか、タイトルで「企み」
を語る掴みの技、「何を行なうか」より「なぜ行なうか」が大切、自問自
答のスタイルがよいなど、なるほどぉーというノウハウもうれしい。
企画書の第一ページでは、ビジョンを語れという。
ビジョンとは未来像とか未来の姿といった静的なものではなく、「これか
ら何が起きるか」という動的なイメージを込めて語るのが良いのだ。
その次になすべきことは、企みを「構造化された目標」として語ることだ。
これらの具体的ノウハウが、IT革命の事例をサンプルにして解説されて
ている。具体例があってとてもイメージしやすい。
ビジネスパースン、必読の書。
====================================================================
★★★★★+実現する力
・企画関連部署にいる方
・企画するのが大好きな方
・僕の企画が実現したっていってみたい方