【トヨタ流「改善力」の鍛え方】
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|著者:若松義人
|成美堂出版|2004年 03月 |254P
|ISBN:4415070574|524円 (税込:550円)
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著者は、トヨタ生産方式の生みの親であるの大野耐一氏のもとで、日々改
善の現場を生で見てきた方である。田坂広志さんのいう暗黙知を肌で感じ
取った方といえる。うらやましい限り・・・。
さて、本書は、トヨタ生産方式をとても分りやすく、かつ、より人間的な
面から解説した本である。おそらく読んだ方は強い共感を覚えるに違いな
い。僕もいくつかの気づきを与えられ、脳みそがグルグル動くのを感じた。
「トヨタ生産方式の特徴は、なにより人間の知恵を信じるところにある」
という。知恵の数だけ組織や企業や人は強くなる・・というわけだ。
今ではトヨタ生産方式は、さまざまな分野で活用されている。日本発の体
系化されたマネジメント手法といえる。しかし、うまくいっているところ
とそうでないところがある。
何が違うのか・・・
その秘訣を著者はこう表現する。
徹底的にやりつづけるかどうか・・それがポイントだという。
ことばで言うのは簡単だが、やるのはなかなか難しい。「あたり前のこと
をあたり前にやる」これがトヨタ流だという。
「あたり前」のこととは、たとえば・・
大切なのは、まず自分で考えて行動してみることだ。行動すれば、考え
たことが正しいかどうか分るし、何が問題かも見えてくる。
「できた」は「次の課題ができた」ことである。
いらないモノを処分することが整理であり、ほしいモノがいつでも取り
出せることを整頓という。
これらのことを徹底的にできるかどうか・・・途中で緩まず継続できるか
そんな愚直さがトヨタの強さの秘密のようだ。
本書には、横浜市長の話、昭文社の地図「リンクリンク」など様々な事例
が引用されとても面白くトヨタ流に触れることができる。
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★★★★★+智慧は無限に
・トヨタ生産方式に興味ある方
・変化が大好きな方
・組織と人に変化をもたらしたい方