【飲んで死にますかやめて生きますか】
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|著者:三輪修太郎
|星和書店|2003年 10月| 328P
|ISBN:4791105176|1,900円 (税込:1,995円)
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世の中にアル中の人はずいぶんいるらしい。
好きでアル中になったわけではない。もっと根の深い原因があるのだ。
僕はお酒がそれほど強くはない。ましてアル中などとは縁がない・・・と
思っていたが、もしかしたらそうでもないかも・・・と思ってしまった。
それは、心の問題だからだ。
アルコール依存症から立ち直った著者が、自らの体験を語りながら、アル
コール依存症の真の正体(根っこの部分)を解き明かす。
「僕は、酒を飲み過ぎてアルコール依存症になったのではない。
依存症になるほど飲まなければ、生きられなかった。」
と著者が告白するように、心の不安定をアルコールで紛らわすうちに中毒
になってしまうことが多いようだ。これは、アル中だけに限らない。著者
が後書きで指摘しているように、「アル中」と「ひきこもり」は共通点が
多いという。ギャンブル、拒食症なども同様に・・。
酒をやめる(登校する)というみかけの事象に一喜一憂するところが同じ
だし、自分も周囲もその根っこには触れたがらないところは特に似ている
という。
本書では、アル中から立ち直るきっかけとなる「断酒会」での模様、アル
中にいたる自身の生い立ちなどが、たんたんと語られる。
まるで、目の前にいて話をきくような感じだ。
「一杯飲んだらとまらない、一行読んだらやめられない」という帯の言葉
は、あながち誇張ではない。ほんとに吸い込まれるように読んでいる自分
がいた。
今、著者はアルコール依存症のためのグループホーム「学び舎」を開き、
ふたつめの人生を切り開いているところ・・・
以前、紹介した「天国にいちばん近い魚」の著者さとう俊さんも、アルコ
ール依存症に悩んだ方だったなぁ・・
http://webook.hp.infoseek.co.jp/2002.05/2002.05.08.htm
顔にも杯にも見える「ルビンの杯」のように、どこに光を当てるかで、も
のごとは(そして人生は)大いに違ったものになるようだ。アルコール依
存症の真実を語るこの本は、まるでルビンの杯を見るようだ。
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★★★★☆+ルビンの杯
・知り合いがアル中でお悩みの方
・お酒が大好きな方
・人生リセットしてみたい方
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★★★★☆+ルビンの杯
・知り合いがアル中でお悩みの方
・お酒が大好きな方
・人生リセットしてみたい方