【女子大生会計士の事件簿(3)】
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|著者:山田真哉
|英治出版|2004年 04月
|ISBN:490123448X|950円 (税込:998円)
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藤原萌美(後任会計士)と柿本一麻(公認会計士補)を中心にさまざまな
事件を解決する会計監査の物語。第3弾である。
3度目ともなるとすこし興味も薄れ・・・な~んて思うかもしれないが、
このシリーズ、そのワクワクする魅力と勉強になるわぁ~度は、いっこう
に衰えない。今回も映画企画会社の不正、仙台にあるワンアイホテルを舞
台にした経費と固定資産の振替操作、伊達通信工業が行なった減損会計の
操作など、へぇーと言わせてくれる楽しいストーリーがいっぱい。
1.<映画の中の会計士たち…あはは>事件
─除却とキックバックの話─
2.<鏡を割ったのは誰だ!>事件・前編
─部門別会計と利益の話─
3.<鏡を割ったのは誰だ!>事件・後編
─減損会計の話─
4.<未来の財務諸表の作り方>事件
─直接原価計算の話─
5.天使のウィルス
─システム監査の話─
面白かったのは、会計操作が行なわれていたホテルが、1年後に業績を回
復し、にぎわうようになったストーリー。
従前は、事業実態が見えるようにと部門会計を厳格に運用し、組織改革を
すすめていたのだが、やがて部門間のいがみ合いなど軋轢が生まれていた。
そこで、部門会計を一切廃止してしまったのだ・・・・。すると部門間の
協調が生まれ好転していったというお話。
うっ、どこかで見覚えがあなぁーと思ったら、ダイエー3事業を立て直し
た高塚猛さんのエピソードだった。著者も高塚さんが大好きという。こう
いうふうにリアルと事件簿がつながるのも楽しいねぇ。
エンターテインメントとエデュケーション、あたらしいジャンルの本は、
着実にファイルを積み重ねている。がんばれカッキー。
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★★★★★+かっきーん
・会計監査に興味ある方
・今度監査をうけるんだわという方
・物語はいいねぇという方