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| 著者:数字で日本を暴く会/和田秀樹
|宝島社|2004年 01月
|ISBN:4796638199|1,300円 (税込:1,365円)
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会社でも新聞やニュースでも、毎日、たくさんの数字がでてくる。
出てくる割には、その意味や背景が知られていないことが意外に多い。
例えば、交通事故死者は毎年1万人前後、しかしそれをはるかに上回るの
は自殺者の3万人だ。98年以後ずっと3万人以上らしい。
一方で、イジメを苦にした子供の自殺とか、ストレスで押しつぶされた管
理職の自殺とかが頻繁にニュースになる。となると、この3万人の中には
そういう人が多いのか・・・と思いたくなるのだが、実は違う。
職を失った中高年の自殺が2/3以上だという。
(中高年の自殺は多すぎてニュースにならない・・ということだ)
従って、目に触れるニュースなどだけで世の中をみていると時には間違っ
た印象をもつことになる。
本書では、そうした数字の裏にある背景を読み解く本だ。
防衛費や失業率などの日本経済、犯罪件数や検挙率などの犯罪実態、結婚
や出産などの生活実態など「よのなか」を数字でみることができる。
ベースになっている数字は総務庁、警察庁などの統計データである。
ちなみに・・・
家計収入の90%は、賃金(サラリー)
失業や倒産はそのまま無収入になるということだ。
アメリカは70%、イギリス62%、ドイツでは58%
道路予算は世界一 6兆円
日本の道路は、アメリカの5倍くらい高くついている。
2004年度の道路予算案で、道路整備は6兆円。防衛費の
5兆円よりも多い。道路族が群がるのも無理ないか・・。
などなど、へぇーそうだったのという面白さがあるね。
本書の分析もある意味でひとつの見方であり、別の視点でみたくなる内容
もある。数字で考えるきっかけにどうぞ。
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★★★☆+数字
・統計数値に興味ある方
・あの数字はおかしいぞっていう方
・数字はいいねぇという方