【強育論】
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|著者:宮本哲也
|出版:ディスカヴァー|2004.3
|ISBN:4887593023|1,470 (本体: \1,400)
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この本の第一印象。頭をガツンを殴られたような感じだった。
これまでの教育とは一線を画し、相当厳しい教育の姿勢だ。
「優しい」ことより「強い」ことを主眼においている。
人は成長することや、学習することを本能的に喜びとして感じる力を持っ
ている。それを阻害することはいっさいやらない。そして、それを自らの
発露として湧き上がらせることこそ教育だという。
こどもの自立を促す、硬派のコーチングといったところだ。
基本的に人は自らの自発的な行為によって成長する。強いられたり、教え
られて分った気になるとろこには発展がない。
著者がどんな哲学で教育にのぞんでいるかを示す一言がある。著者が経営
する塾の初日、小学3年生に問題を出すときのセリフだ。
「今からものすごく難しい問題を10分でやってもらう。
この問題が解けたやつは今までにひとりしかいない。
でも解けるか解けないかはどうでもいい。10分間、頭を使い続ける
ことができるかどうかだけをみる。
途中であきらめるヤツは来週から来なくていい。」
自ら伸びるエネルギーを燃えさせてくれるようなスタートだねぇ。
塾をやっている著者が考える先生の役割をこう定義する。
「こどもの自立を見守り、促進する」
優しい先生でもなく、明るい先生でもなく、面倒見のいい先生でもない。
ほめて伸ばすのでもなく、叱って伸ばすのでもない。ほったらかしで伸ば
す。 自分の意思で這い上がるのを待つやり方だ。
著者はこれを 「The art of teaching without teaching」
と表現する。
いろいろと考えさせるところが多い本だ。アートだね。
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★★★★★+自ら伸びる
・教育に興味ある方
・中学受験にそなえたい方
・自発自立が大好きという方