【企業変革のプロフェッショナル】
持続的な成長を可能にする戦略とリーダーシップ
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|著者:一条和生
|ダイヤモンド社|2004年 07月
|ISBN:4478374686|2,000円|190P
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著者の一條さんは、大前研一氏プロデュースのビジネス専門チャンネル、
ビジネスブレークスルーに出演している。(僕も出てみたいなー)
http://www.bbt757.com/servlet/ShowLecturer?lecid=0005
その中から「企業変革」のコンテンツを編集したものが本書。
番組放映時の質問メールや著者の回答なども掲載されている。
企業が永続的に成長していくためには、イノベーションジレンマ(=過去
に優秀であったがゆえに、企業変革が難しくなること)を克服し、つねに
企業変革をすすめていかなければならない。
トヨタは、企業変革という点ではすばらしいDNAを備えている。それは
表面的にはトヨタ生産方式として知られている。トヨタ生産方式は、その
手法がすぐれていただけではなく、そこに強いリーダーシップととことん
やりぬく企業風土があったからこそ、世界に誇れる方式に昇華したのであ
る。
トヨタ生産方式とは、効率的な生産手法ではなく「企業変革の手法である
」というところに注目する。つまりイノベーションジレンマの克服手段と
なっているということだ。(カタチだけまねしてもダメよとも言う)
トヨタだけではなく、ワールド、シャープ、ゴーンの日産などの事例をひ
もときながら、企業変革に必要な要素を解説する。
ミッション、ビジョン、3C(顧客、競合、自社)の順にWHATを考え
ていくプロセスは、BSC(バランススコアカード)と同じで、共感を覚
えた。
リーダーシップやチームワークといった最も大切な人間的要素は、トヨタ
の強みを参考にしている。リーダーシップの本質をこう表現する。
リーダーシップは、ポジションや職種には無関係である。
ビジョンや価値観をつくり、仲間と共有し、それを実現していく行動力と
いうことになろうか。そういえばGEの工場にも同じような標語があった。
Leadership is Action, Not Position
この本から学んだもうひとつのこと。
本を書いたり、講義をしたりすることは、人の残してくれた遺産を消化し
自分なりに統合するプロセスから生まれる。つまり、人の知恵は大いに利
用したらいい・・ということだ。アイデアもそうだねー。
この本を読んでたら、ふとそんなことも思った。
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<オススメ度>
★★★★+変革
<読んで欲しい方>
・会社を変えててみたい方
・企業変革プロジェクトを画策中の方
・かえることかわることがすきな方