2004年08月09日

■団塊老人(三田誠広)

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イナゴの大群? 

団塊老人
    
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   |著者:三田誠広
   |新潮社|2004年 07月
   |ISBN:4106100770|680円| 206P
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 団塊の世代は、高度成長時代を牽引し、良くも悪くも日本を特徴づけてき
 た世代である。いまその人たちは年をとり、あと数年もたてば団塊老人の
 カタマリになる・・・・。「何も生産せずひたすらメシを食うだけのイナ
 ゴの大群のようなものです・・」とは、ちょっとかわいそうな表現だ。
 そんな表現ができるのも、著者自身が「団塊の世代」の“一味”だからで
 ある。
 本書は、これから「団塊老人」の集団となるカタマリについて、一人称的
 に書かれている。(僕も実は団塊の世代の末席にいるのだが・・・笑)

 チロリン村とくるみの木、月光仮面、少年マガジン・・・と聞いてなるか
 しく思える人は、団塊の世代。
 前半は、団塊の世代とは何かをふりかえる。根底にあるのは、貧乏に対す
 る恐怖だという。だから受験勉強に駆り立てられてもがんばり、石油ショ
 ックを切り抜け、バブル経済を牽引し、幾多の経済社会の変動の中を生き
 抜いてきたという。そんな振り返りは、なかなか面白い。俺も団塊の世代
 だ・・・って方は、なつかしくもある子供のころを思い出しながら読める
 だろう。

 さてそんな団塊の世代は、時代のお荷物(いや失礼、著者が言ってるんで)
 なのだが、彼らも21世紀半ばには死に絶え、様々な問題もなくなるだろ
 うと予測する。

 では団塊世代は、ほんとにお荷物だけなのか・・といえばそうではない。
 団塊の世代が明るく楽しく老後を生き抜けば、世の中も明るくなるという。
 老いても影響力は大きいのだ。団塊老人の3つの心得を書いておこう。

   1)愉しく働く。可能な限り働きつづける。
   2)自分の居場所を確保し、生きることの充実感を維持する。
   3)少ない費用で喜びを得られる文化的な趣味をもつ。

 肩書きのこと、家族のこと、妻との係わりのことなど団塊老人のススメが
 書かれている。団塊老人候補生の方、ぜひお読みいただきたい。
 三田さんの文章は、軽快なタッチで読みやすい。

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 <オススメ度>

   ★★★★☆+団塊の一味

 <読んで欲しい方>
   ・団塊の世代の方
   ・団塊ジュニアの方
   ・老後をどうするか考えている方

Posted by webook at 2004年08月09日 08:05