【謀略銀行】
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|著者:大塚将司
|ダイヤモンド社|2004年 07月
|ISBN:4478930511|1,500円
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これまでいくつもの銀行がつぶれ。昔の名前を覚えていないほどである。
本書は、20年ほど前、バブル崩壊後、資産デフレが進む中、情実融資を
つづけて破綻した銀行があった。それをモチーフに描かれた経済小説であ
る。ダイヤモンド経済小説大賞の優秀賞を受賞している。
著者の大塚さんは、日経新聞で「住友銀行、イトマン事件」など多くのス
クープを出した人で、最近では日経社長を内部告発した人としても有名。
さて本書は、1985年ごろの銀行が舞台。巨額の不良債権にあえぐ東京
相互銀行の中では、創業者一族と、監査役井浦重雄をはじめとした経営陣
が経営権をにぎるビジネスウォーの真っ只中にいた。
株の取得をめぐる争いの裏には、実は政財官に加え検察まで加わった巨大
な陰謀がうごめいていた。そんなお話。
時間を争う情報戦の末、この戦いに勝ったものは・・・
最後に、井浦が新聞記者にあてた手紙には、個人ではどうしようもないほ
ど強大な規模の陰謀の淵をそっとのぞかせてくれる。
ぞぞっとしながら、うーむと唸る内容だ。
参考情報: http://www.nagaitosiya.com/lecture/0020.htm
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<オススメ度>
★★★★★+秩序と正義
<読んで欲しい方>
・ビジネス小説がすきな方
・銀行に不安をもってる方
・世の中の暗い部分を覗いてみたい方