頭をどう使うか・・・。
全世界のユダヤ人総人口は1318万人。東京都+千葉県の人口より少ない。
ユダヤ系の人で成功者は多い。MSのスティーブバルマーはじめ、デル、オラクル、インテルなどのIT系企業の創業者はユダヤ人。企業家のほかにアインシュタイン、マルクス、フロイト、S・スピルバーグ、ボブ・ディランなど様々な分野で成功した人は多い。ジョージ・ソロスもそうだ。ノーベル賞受賞者の22%がユダヤ人。ハーバード大学の教授、学生にも多いらしい。うーむ。
しかし、彼らは遺伝的に成功する民族だというわけではない。著者は、その秘密を「文化」にもとめる。文化というとやや曖昧な感じになるので、それを行動の仕方、考え方、頭の使い方などに分解して解説している。なかなか面白い。
ユダヤ人の頭の中の主要なものは:
実践脳力 ~ 環境変化に実用主義と適応性で対処する
無制限思考能力 ~ 独立独歩で思考する
頭脳フリーク ~ 読解力、分析的思考を鍛え、学習の癖をつける
頭脳の国境なし ~ 自分の文化を維持しながら、世界に飛び込む
ココロは頭脳の一部 ~ 個人とコミュニティで他人を思いやる
というもの。
ジョージ・ソロス、アンディ・グローブなど、非常にたくさんのエピソードが紹介されており、興味深い。
要するに頭は使いよう・・ってことみたいだね。
奥さんが日本人の著者は、日本人へのメッセージを意識して書いている。日本人も世界でマイノリティだということを意識してみると、ユダヤ人のような頭の使い方ができるのではないか・・と提言している。
日本人の頭のなか・・というタイトルの本を書くとしたらどんな項目がでてくるだろう。揶揄するほうではなく、賞賛する内容で。
サムライ精神(潔い、挑戦)~イチロー、野口英世
農民精神(忍耐強い)~ ブラジル移民
商人魂(お客さん思考)~ 越中富山の薬売り、松下幸之助・・
助け合い力(仲間思考)~ 消防団、ODA、・・
とかなんとか・・・。日本人を皮肉るほうはよく耳にするが、いいことを整理してみるのもいいねー。ほかにどんなのがあるだろう。
★★★★☆+イディシュ・コップ
・ユダヤ人は金持ちが多いと思ってる方
・アメリカはユダヤに支配されてると思ってる方
・ユダヤ人の思考方に興味をもった方