2004年09月28日

世界一感動する会計の本です ~ 山田真哉

簿記って、「帳簿記入」の略って知ってた?

書籍情報

<女子大生会計士の事件簿>世界一感動する会計の本です[簿記・経理入門]
山田 真哉
日本実業出版社 (2004/09/25)
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本のひらめき

この本に登場する「僕」が誰で、セミナー講師の若い女性が誰なのかは、山田真哉さんの本をすでに読んだ方なら、すぐにピンとくる。そう、女子大生会計士の事件簿に登場する未来のカッキーと萌ちゃんだ。

この本は、カッキーこと柿本くんが、公認会計士試験に落ちて、簿記を一からやりなおそう・・という時点のお話。

「僕」が、簿記についてやり直すネタは、中世の物語として展開する。
これがまた非常に面白く、しかも、簿記や会計のことをとても分かり易く教えてくれる構成になっている。

中世の物語は「たまごの国の物語」という。フィレンツェの隣にあるエッグランドが舞台だ。ルカとレオンの二人の少年が、エッグランドで商売を始めるというお話だ。複式簿記を勉強しながら進む物語はとても面白い。

二人の少年は、実は歴史上に名を残す有名な人物だったりするのだが、それは読んでのお楽しみ。世界史のインテリジェンスを感じながら、簿記のこともついでに勉強できちゃうぞ。(逆か!?)

ちなみに、この物語は、山田さんデビュー作<女子大生会計士の事件簿>の1年前に書かれた作品だそうな。うーむ、その頃から異才を発揮してたんだぁ。

会計の本質は「仕訳」だという。
仕訳というのは、一つの出来事について二つの情報を記録すること、だという。
例えば「100円を借りた」という出来事なら、「100円を手に入れた」(自分)と「お金を貸してくれた」(他人)というぐあいに分けることだ。こういう最も基本的なところから分かり易く説いている会計の本は少ない。

山田さんは、会計や経理、簿記と言った地味ぃーな世界を、とても面白くしてくれる貴重な存在。次々と世に送り出す面白い作品に目が離せない。

世界一感動する・・というタイトルは誇張じゃないねー。うん。


僕の思いつき

物語を書くというのは楽しい。自分の知っていること、体験したこと、これから学ぶことなどを歴史上の出来事と結びつけて物語にしてみるのは楽しい。

例えば

 マーケティングの話を江戸時代に設定して物語にするとか
 バランススコアカードを明治時代を舞台に展開するとか
 コーチングの話を伊能忠敬物語でやるとか
 今取り組んでいるプロジェクトを時代劇でシナリオつくりしてみるとか
 会社の人事部の仕事を江戸時代の奉行所の世界でやってみるとか
 ERPの話を江戸時代大黒屋さんの大福帳でストーリー展開するとか。

ちょっとした片手間にそんな遊びをやってみよう。何かが絶対ハジケル。

オススメ度

★★★★★+最高のゲイジュツ

読んで欲しい方

・カッキーと萌ちゃんのファンの方
・はじめて経理について勉強する人
・簿記と聞くだけでボキボキしちゃう人

Posted by webook at 2004年09月28日 08:29 | TrackBack