物事を見る目線はいろいろある。
著者曰く、この本の目線は、工場の天井裏からみるような感じと言う。高さ10mくらいの目線だ。
高度数万メートルの上空からみる「日本経済論」でもなく、高度数百メートルから企業全体をみる「経営戦略論」でもなく、また高度1.5メートルの現場目線でもない。
工場の天井裏から製造現場の真実を見ること、それがもの造り現場の経営学というわけだ。現場発の経営戦略論でもある。その視点こそが本書のユニークな点だろう。
日本のもの造りの現場は
強い工場+弱い本社
↓
強い工場+強い本社
にすることが重要だという。日産のゴーン改革などは、まさにこの流れだと分析する。
ちょっとユニークなものつくり経営戦略論がある。
鳥の目だとか、虫の目だとか、魚の目だとかわかりやすいメタファーで、視点の違いを説明すると楽しい。また、本書のように高度を具体的に言うのも分かりやすい。
目線や視点を面白く表現する方法は、ほかにないだろうか・・・。
豚の鼻、アリの耳、オジギソウの感性、稲穂のたれ加減度・・・うーん、もう一つ何かを超えたいな。
★★★★+もの造り
・工場の生産性を管理している方
・自社のものつくりを見直したい方
・もの造りの現場に興味をもった方