10.1付けで異動を命ず・・・
人事異動、人事考課、業績評価、MBO・・・人が組織となって働くとき、必然的に立ち向かわなければならないイベントである。
4/1とか10/1とかに異動発令があるケースは多いかもね。
人事異動は、どんな場合も有無をいわさず仕方ないもの、サラリーマンとしては受けざるを得ないもの・・・。そういう認識は、一般的にあるように思う。そう思いこまされてきたといっていいかもしれない。
本来、人事異動は組織を人に変化や進化のチャンスを与え、組織を活性化させるための目的があるのだが、現実にはなんで?と疑問をもつような場合もある。そんなときでも、とりあえずガマンするかみたいな「とりあえず症候群」は世の中にはある。
本書は、そうした人事にかかわる問題を分析し、人も組織も元気になるための処方箋を考えようという本だ。
考えない組織、考えない人という視点から、現状の人事にかかわる問題点をさぐる序章では、いろんな症状が登場する。
中でも面白いと思ったのは、自分のテリトリーをはみ出せない症候群の話。
官僚的といったり、セクショナリズムといったりもする。
「自分の領域でものごとを判断してしまう部分最適の発想で、あらかじめ決まった仕事しか見えずに、そこまではできない、組織がそうなっていない、など言い訳をして、大きな仕事を仕組めない人」とある。称して「粒々族」という 。(僕は違うぞ?、うん、そ、そうだよね)
また、人事の世界で試されているのが「成果主義」。年功序列からの脱却を意図した仕組みだが、これもなかなかうまくいっていない会社が多い。
そこで著者は中野意郁次郎教授らとMBB(Management by Belief=信念によるマネジメント)というのを奨めている。MBOの発展形だ。
目標を設定するときにただ制度ができたから・・という形式的なものではなく、「しみじみ感」をもって目標を設定しようというものだ。
人事異動を自分ブランドを作るための機会として活かせるように組織(会社)も個人も努力したいところだ。
人事異動の面白い仕組みって、ないものだろうか・・・。
ミスミのようなプロジェクト応募制。店長を互選で選ぶレストラン(名前を忘れた)の仕組み。藤原和博さんのように自分で制度(フェロー)を作って一号になる・・・などなど。
今自分のいる会社にはないけど、こんなのあったら面白いなみたいなのを考えてみるのもいいねー。人事部長になったつもりで。
★★★★+異動