なんでもギリギリにやるという、君の習慣が問題なんだ。
「どろなわマネジャー」から「オンタイムマネジャー」へ。
これが本書のメッセージだ。
あるIT企業のマネジャー、ボブはある月曜日の朝、君のような「どろなわマネジャー」はうちにはいらない・・・とイエローカードを受け取る。幸い、クビではなかった。その代わり、どろなわ式を改めるための“プロセス”が準備されていた。CEO(チーフエフェクティブオフィサー)からコーチングを受けることになる。
大事なことは
「優先順位」priority
「妥当性」propriety
「コミットメント」commitment
だという。この3つが、どうでもいいことに追われて大事なことを後回しにしてしまったり、やるべきことが締め切りぎりぎりになってもできなかったりといった後悔から救ってくれる。
ボブはCEOからこれらのことに気づくヒントをもらい、自らそれに気づいていくのだった。その過程がストーリーとして描かれている。物語は雄弁だ。
優先順位をつけることと、コミットメントについては、細かい説明を受けなくてもなんとなくわかる。ふたつめの妥当性というのは、ちょっと説明がいるだろう。本書では、倫理憲章というもので具体的に示される。
「正しいことを、正しい理由で、正しい人たちと、正しいタイミングでやる。正しい順序でやる。全力をあげて集中してやる。そして正しい結果を生み出す。」とうものだ。これが物語の中で、ストンと心に落ちる。企業理念、ビジョンといったものの大切さがそこにはある。
最後にボブは自らの役目とそれへのコミットメントに目覚める。感動的だ。それってなにかって? うん、ここでは言えない。読んでのお楽しみとしよう。
本書は、やりたいことがいつも後回しになって時間が足りない・・・そんな人はこうしたらいいよ・・というようなハウツウ本ではない。生き方の哲学を問う内容である。すばらしい!
もし自分の会社の運営が、どうも「どろなわ式」じゃないかぁーって心配になった方は、この本を読んどくといい。
あらゆることにトリアージ(緊急性、怪我の程度、助かる可能性などによって、負傷者に優先順位をつける・・・軍隊用語)をかけろといっている。全ての活動に優先順位をつけるということだ。
そこで・・・
今の会社がなすべきことのリストをあげる。(たくさんあげる)
その中から優先順位を決める。
個人(自分)についても同じことをやってみる。
今週の最優先事項は、紙に書いてPCに張っておく。一歩前進。
★★★★★+克服
・先延ばしはもうやめたって方
・自己管理の方法をみつけたい方
・ケン・ブランチャードに興味をもった方