驚きと感動の演出
経済価値が、製品からサービスへ、そしてエクスエクスペリエンス(経験や感動)へ変化している。そのあたりは「経験経済:エクスペリエンス・エコノミー」という本に詳しく書かれているらしい。(ジョセフ・パイン2世、ジェームズ・ギルモア)
現在、優れた経営で業界をリードする企業に共通するのは、「モノやサービスを超えたところで顧客が求めているものを洞察する能力」だという。顧客が求めているものは、感動体験だ。
本書のタイトルの「バナナがバナナじゃなくなるとき」というのは、50年ほど前にニューオーリンズで誕生した伝説の料理「バナナフォスター」に由来する。顧客の前で驚きの演出をしてくれるバナナのデザートは今なお人気の的だという。ありふれたバナナではなく、そこにエクスペリエンスが加味された特別のバナナというわけだ。
本書は、エクスピアリエンス(経験)を価値として高めるマーケティングの話。
消費者が買っているのは、モノやサービスではなく、そこから得られる自由や冒険、感動、安心感などである。こうした目に見えないところにどう価値をつけるか・・・そこがキーのようだ。
本書にはそういう事例がいっぱい載っている。冒険心をかきたててくれる「ティリー・ハット」、キャンドルという製品ではなく安らぎと安心という元気の素を売る「イルミネーションズ」などなど。
https://www.boatshow.com/MARINEMARKET/TILLEY/Tilley.html
http://www.illuminations.com/
シアトルにあるパイクプレイスマーケットもいってみれば、ごく不通の日常(魚屋さん)を楽しさと驚きという経験価値の場に変えた好事例だ。先日、ここを訪れたときもエクスペリエンスがたしかにあった。その近くにあるスタバ1号店でも「紙コップを飛ばす」という演出で素敵な思い出を与えてくれた。
身の回りにある驚きと感動の演出はどんなものがあったか・・・友達に話してみよう。えーっと僕の場合はね・・・( 楽天日記に )
ちなみに本書の経験価値(エクスペリエンス)は、顧客視点の価値。僕がいつも言っている経験価値は、自分視点から見た価値。少しベクトルが異なっている。
★★★★☆+エクスペリエンス
・最近感動体験をした方
・感動するのが好きな方
・経験価値に興味をもった方