アップデートすべきは、データよりもソフトウエア。
世の中の多くのことは移ろい行く。平家物語のころから諸行無常は世の習いといわれてきた。と古めかしいことを言ってみたが、実は身の回りでもそういうことは結構ある。たとえば鐘紡は昔紡績会社だったのにいつのまにか化粧品のカネボウになってるし、日立造船も造船業の売り上げが2003年度は0%だという(へぇ)。GEだってエレクトロニクスじゃなくて金融業が儲かっていたりする。
変化する時代に人はどうあるべきか。本書は、脳をアップデートしようという。何かをさらに記憶しようというのではない。ソフトウエアをインストールしようというものだ。データはそれこそUSBやCDで対応すればいいのであって、大切なのは新しいソフトだということだ。
人にとってのソフトウエアとは、たとえば「会計の知識」「経営の新しいフレームワーク」「プロジェクトマネジメントの手法」「プレゼン技術」「コーチングスキル」とかいったものである。
さらに「出力してみないと本当にアップデートできたかどうか分からない」とおっしゃる。そうそう。学んだことは、即、使ってみることね。
さて、本書では、ビジネスに必要な8つのソフトを提言している。
言語ソフト、知識ソフト、演算ソフト、表現ソフト、試行ソフト、自己モニターソフト、対人関係ソフト、時間管理ソフトの8つだ。なるほど、面白い視点である。
幾つになっても脳みそのアップデートは続けたいねぇ。
人間や会社、ビジネスをコンピュータのソフトウエアにたとえるのは、楽しいメタファーだ。OSもアプリソフトも常にアップデートされるのが常態だということは誰もが体験的に知っている。だからこのメタファーは受ける。そこで、
ビジネスマンに必要な必須ソフトを7つ
上司として必要な必須ソフトを5つ
新人がもつべきソフトを10個
受付の人が持つべき必須ソフト4つ
わが社が持つべき7つのソフト
などを考えてみよう。
人事考課とか業績評価の季節だぁって方は、こういうのは頭の訓練にいいかも。
<オススメ度>
★★★★+必須ソフト
<読んで欲しい方>
・たくさん考えるのがすきな方
・来年のことが心配な方
・来年の目標をそろそろという方