最初その動きは、わずか数人の「怒り」から始まった。
元旦は、感動の物語からスタート。この本、涙なしには読めない!と保障しておこう。
新潟県北魚沼郡にある小出郷文化会館。大ホールの稼働率94.6%、小ホールは81.2%(平成12年度)という稼働率を誇る。これはほとんど毎日、誰かがこの施設を利用しているということだ。
今はおそらく雪に埋もれているこの土地は、特別な人脈があったわけでも、舞台芸術が盛んであったわけでもないという。なのにこの盛んな文化活動はどのような経緯があって生まれたのか・・・。その秘密が本書に書かれている。
人のつながり、情熱、粘り強さ・・・いろんな要因があったのだろうが、その初動はなんと、わずか数人の「怒り」から始まったという。
ハコモノ行政に対する怒りである。そして、それを正しい方向に推し進めたエネルギーは、関さん、庭山さん、桜井さんといった地域の人の熱い思いと行動力だった・・・。こけらおとしの第九の合唱までの道程は、住民の人たちの汗と感激がそのまま伝わってくる。
ここでは羽田健太郎ヤング・ピプル・コンサートやドイツから招聘したルドルフ・マイスター教授のピアノレッスンなど様々な活動が開かれている。
このノンフィクションストーリーは、多くの自治体の文化活動の模範になるのではないだろうか。
小出郷文化会館はこちら: → http://www.city.uonuma.niigata.jp/bunka/
思わず涙がでる物語は、リアルな世界であるだけに素晴しい。
町の大工さん、桜井さんが館長である。この人が町田氏に言われた言葉がいい。
「ホールはね、気違いが3人いればうまくいくといわれています。桜井さん、あなたは、ぜひ気違いになってあと2人気違いをみつけてがんばって下さい。」
そう、なにかのプロジェクトを進めるには仲間がいる。それもとびきり狂ったやつが・・・。そんな仲間を集めるにはどうしたら・・・なんて考えてみるのもいいね。
ところで、今年はどんなとほうもないことをやりたいですか?
★★★★★+感動が響く
・感動物語を話したい方
・頭がクルクルするほど高鳴る自分を感じた方
・地域振興を企んでいる方