2005年01月05日

脳はなぜ「心」を作ったのか ~ 前野隆司

心をもったロボットは簡単につくれる。(えっ?)

書籍情報

脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説
前野 隆司
筑摩書房 (2004/11)
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本のひらめき

本書は、科学と哲学の間にあって未来社会をリアルな世界としてイメージさせてくれる「不思議な」本だ。

今は不思議かもしれないし、うーむ・・・ほんとかなぁ・・・という疑問符がつくかもしれない。しかし、マジメな内容の本だ。

なにしろ本書の内容は、日本ロボット学会の学会誌に載る予定(2005年)の論文「ロボットの心の作り方(受動意識仮説に基づく基本概念の提案)」をわかりやすく一般向けに書いた本なのだ。

心というのは、「知」「意」「情」「記憶と学習」「意識」の5つから成るという。この中で最初の4つは今のコンピュータやロボットは少なくともちょっとくらいはできるという。それはわかる。そして「意識」は、今のコンピュータはまったく持っていないという。

知情意や意識は主体的であり、人間だけができる高等な精神活動だと誰もが(たぶん)思っているが、本書では、それらですら受動的なものだと論を展開している。このあたりは本書を読んでいただくほかない。(僕の力ではまとめることが難しい・・)

本書は、こうした心の活動は分析でき、だからこそそれを作り出すことも可能だ、さらにいえば心をもったロボットも作れる・・・という展開になっている。

未来社会を想像するのは簡単だが、それをうらづける論を展開するのは難しい。本書はそれを行っているところがスゴイ。

とっても深くて面白い。

僕の思いつき

ロボットが心をもった世界。ちょっと想像すると怖いねぇ。でも30年後はありうるかも。

30年前にはなくて今は当たり前になっているもの。携帯、GPS、インターネット・・・などなどいろいろありそう。(携帯はあったかな・・?)

過去を見て、未来を伺う。そんなゲームをしてみるのも楽しい。


オススメ度

★★★★★+心の本質

読んで欲しい方

・未来社会を話したい方
・工学系の方
・ロボットが好きな方

Posted by webook at 2005年01月05日 22:37 | TrackBack