絶対にノーとは言わない・・・
リッツカールトンホテルに関する情報は、本や雑誌などで多く取り上げられている。本書は、50歳でリッツカールトン大阪の営業支配人として入社した著者が、そこで見つけた「お客様が喜ぶ秘密の仕組み」をまとめた本である。
リッツカールトン大阪の売上高は、約百数十億円。通常のホテルのサービス料は10%だが、ここは13%だという。つまり3%=数億円は純利益というわけだ。お客様へのパーソナルなサービスによってお客様はその3%を当然だと思う。最高のサービスを提供するということは、財務の視点にそういうメリッ
トを生みだすわけだ。
また「ES+CS=利益」というのが著者の言うリッツの公式。リッツの社員は成長の喜びがESの大きなファクターになっているような気がする。
著者は個人のクレドも必要と説く。『漠然とした目標しかもっていない人と、強い目標を明確にしている人とでは成功への距離が違うのです』という。
クレドでもBSCでも今年の抱負でもいいのだが、目標のないプロジェクトや目標のない人生は、曖昧な霧のなかにあるモヤットボールを生産し続ける。
この3連休、ちょっと立ち止まる時間を持ちたい。
リッツカールトンといえばクレド(Credo)である。信条、哲学という意味だ。
「お客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命と心得ています・・・」ではじまる一文から始まる。
ああしろ、こうしろと事細かには書かれていない。この基本をいかに自分なりに智恵を絞り、考え、毎日の仕事に応用していくか・・・それが大切であり、そういう仕組みや風土こそがリッツカールトンの強みだ。
著者は初めてこれを聞かされたときは、「あぁ、お題目だわい」と思ったそうである。しかし、実際に行動に移さざるを得ない環境で、その真価を見つけていったという。
社是、ミッション、企業理念・・・などほとんどの企業で掲げられているが、それを「社員が自ら考え、行動する」ようにするしかけは持っていないのではないだろうか。
リッツと同じようにタリーズコーヒーのホームページにはそんな仕掛けに似たものがある。行動規範の一つがブランク(自分で考えよ!)なのだ。
余地を残す・・・これも大事なことかもねぇ。
(かといって余地を残してあるといって、そのまんまではいただけない)
著者がリッツで学んだという「仕事で一番大事なこと」とは、一人一人が考えて行動する仕組みと風土とマネジメント、じゃないかなぁ・・・と僕は思う。
★★★★★+日々考える仕組み
・ホテルマンの方
・いいホテルに泊まりたい方
・伝説や感動が好きな方