物語の背後にあるもの
本書は気づきの物語がいっぱいつまった本である。
ソースは神話の世界だったり、著者の体験だったり、イソップ物語だったり、あるいはスティーブン・コビーの7つの習慣などビジネス書で引用されたビジネス・ストーリーだったする。
本書はコーチングの本であり、物語をどう生かすかという質問がキーポイントだ。物語、教訓、質問という構成で50の物語が集められている。
物語の効用は5つあるという。
1.物語は学習効果を高める
2.物語は理解を助けるパターンを提供できる。
3.物語は好奇心を刺激する
4.物語は感情をゆさぶる
5.物語はユーモアとともに情報を伝える
メタファー(比喩)は、人の心にすんなり納得を生むことがある。納得とは人から何かされるのではなく、自らの心の能動によって生まれるものだからだ。ストレートな答えではなく、なんとなく示唆してくれる物語の中から「気づく」ほうが、行動につながりやすい。
自分が語れる物語をどれだけもっているか・・・こういうのもこれからのビジネスパーソンの武器といえるのではないだろうか。
たくさん持つ必要はない。自分が伝えたいと強く思う物語を、自分のものにしていつでも語れるようにしておくのがいい。
金言格言も楽しいが、ちょっと人に話せる物語を収集しておくのもいい。
集めただけでなく、そこから得られる教訓、他のことに利用できないかを考える質問を考える・・・そんな工程が、物語を自分化できるのではないだろうか。
モノも何でも集めただけではなく、そこから何かに転用することを考えるところに価値は生まれる・・・。つまり、アウトプット・モードだねえ。
★★★★☆+物語
・物語が好きな方
・メタファーが得意な方
・コーチングを勉強している方