老いてますます・・・・
高齢化社会とはどんな様子か、人生90年時代とは具体的にはどんな雰囲気か、著者の江見さんは、それをこんな面白いエピソードで紹介している。
白寿のお祝いに恩師のお宅を訪問したときのこと・・・
その恩師の先生に「娘がお茶を入れますから」といわれ、ついついある種の
期待感をもって待っていると・・・
出てこられたのは品のいい白髪のおばあさん。娘さんというのはピチピチの
お嬢さんを想像してしまったのだが実は御年76歳のおばあさんだった。
その後、お孫さんがお茶菓子をもってこられたが、お孫さんは48歳の奥様
だった。「目に入れてもいたくない」という孫のイメージからはずいぶんと
かけ離れていて驚いた。
というもの。娘、孫という言葉の響きが人生90年時代には、もはや全く異なるイメージとなるのだ。
さて、この本、オイルショックと老いるショックをかけてある。老いるショックには第一次老いるショック、第二次老いるショック、第三次老いるショックがある。最初は40代後半から50前後にやってくる。しわが増える、小さい字が見えないなどなど。第二次は、がんや前立腺肥大などの病気が発生しやすい時期だ。第3次は、入れ歯、補聴器などのお世話になるとき。
こんな風に三度にわたる老いるショックを乗り切るには、老後への持参金として3つのKがいるという。健康(K)、経済(K)、心(K)の張り。それぞれどうしたらいいかを著者の経験も踏まえて説明されている。
著者は3つの老いるショックを乗り越えて今なお元気いっぱい。なんと81歳のとき(2002年)、東京から赤穂まで680Kmを自転車で走破したという。すごい!
面白いことに著者は18歳のときにも同じく東京ー赤穂間の自転車冒険をしており、63年の時を経て再度挑戦したという。そのわけと冒険の様子は本書を読んでいただこう。
とても読みやすく、かつ、老後を自分のこととして考えるきっかけが持てる。まだ50代以後の方だけでなく、40代の方も老いるショックを乗り切るために、本書をぜひ手にして欲しい。
自分自身の老後を考えるとき、最初に読んでおきたい超おすすめ本。
著者は、老いることを果敢に楽しみ、シニア文化の創造をめざすという。
孫が45歳だったり、親の面倒をみる息子が75歳だったりするこのごろ、年齢にたいする認識も改めないといけないようだ。
老後に備えた長期計画もそろそろ・・・つくっておくかな?さて、何歳まで線をひいておこうか。
★★★★★+老いるショック
・楽しい老後を迎えたい方
・社会に働きかけるのがすきな方
・50,60,70代の方