異界を変える。
民間人校長先生は、現在80人以上が全国で活躍しているという。藤原和博さんもそうだし、百マス計算の蔭山英男さんもそうだ。
本書は、東芝のエンジニアから三重県の白子高校に赴任した著者の奮戦記である。生々しい教育現場の様子と孤軍奮闘の熱いヒストリーが描かれている。
企業では人が財産だといわれる。人材育成はBSCでも最初にくる基本的重要要素だ。目を世の中に移せば、人材育成とは子供の教育。世の中株式会社の人材育成は、先生(教師)というプロにゆだねられてきたが、どこの世界にも「よどみ」はつき物である。
よどみの世界に身を投じた著者は、その奇妙ぶりに驚愕しつつも孤軍奮闘、ひとつひとつ地道な改革を進めていく。一般企業ではごく普通のことが、学校という聖域では、非常識だったりする。
他人事ではなく自分達の子供達にも係わってくる問題として読んでおくべき一冊だね。
きっと熱い思いに共感を覚えながら読むことができる。
今日の日経新聞に「創業50年記念Benesse賞」の発表がのっていた。ベネッセコーポレーションが募集した新しい教育のビジョンを描く企画だ。その最優秀論文2つのうちひとつに藤原和博さんの「公立校の未来を拓く」がある。
藤原さんは以前から中学でのユニークな授業を展開されており、その経験も活かしながら現在は杉並区の公立中学で教育改革を進めている。熱い方である。藤原さんもこうした論文や本で、自身の経験や主張をどんどん世に送り出している。すばらしいことだ。百マス計算の蔭山さんも同じ。
変えたいことがあったら、どんどん世に出して、主張を問うことがいいようだ。
考えがある、実績をつくる、世に出す、反響(共感)がある、変化の速度があがる・・・こんな循環がうまれるようだ。
世に出すものを考えてみよう。案外、身近にあったりする。
★★★★★+異界に変化を
・校長先生になりたい方
・人を育てることがすきな方
・変化をもたらしたい方