辞書は本か?
辞書は本か? という問いに、自信をもって「YES」と答えられるのは、この新明解国語辞典くらいであろう。読んで楽しめる辞書(本)である。
昨日の読売夕刊で「新解さんが7年ぶりに改訂され、第6版がでた」との記事を発見。(こ、これは大変なことだ!)
赤瀬川原平さんの【新解さんの謎】を読んで、三省堂の新明解国語辞典がどれほど面白いものなのかを知ったのは、98年のことだった。
生まれて初めて、にゃひゃひゃぁーと狂気乱舞(?)したのであった。新解さん(新明解国語辞典はこう呼ばれている)の中にある、本音をくすぐる面白い解説に目を見張った。
赤瀬川先生の本から、新解さんの面白さを再現してみよう:
---------------- 1998.4.28 Webook より -------------------
例えば、冒頭にこんな言葉を紹介がある:
れんあい【恋愛】-する。特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで
一緒に居たい、できるなら合体したいという気持ちを持ち
ながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦
しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。
「-結婚」「-関係」
そして、SM嬢と文豪の会話が続く...
文:「うん、合体ね。恋愛の説明に合体まで出るか。」
S:「凄いんです。」
文:「しかも、できるなら合体したいという気持ちをもちながら。この“で
きるなら”というのが・・・」
S:「そうなんで、真に迫るんです。」
文:「出来るならねえ。辞書ってここまで書くのかな。」
「たしかにね ”常にはかなえられないで、”ひどく心を苦しめる”なん
て辞書にあるまじき細やかさだな。」
S:「もう文学です。訴えているんです。」
文:「合体がまれにかなえられて歓喜する、そうだったよなあ恋愛なんて。」
S:「それで、私、たまらず“合体”を調べたんです、239ページです。」
どうでしょうか、もう新解さんの迷宮に踏み込んでしまいましたね。
もうこれは、”歓喜”爆発の本といえましょう。
おすすめ度は ☆☆☆☆☆+?謎? くらい。
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6年前の感動がよみがえる!(笑) 言葉の迷宮探検は、この後、恋愛→合体→性交とつづく。(本屋さんで、ここだけ立ち読みしちゃだめよ。)
うーー会社が終わるまでガマンできん・・という方は、ここをご覧あそべ!
新解さんWEB新聞 (夏石鈴子さん)
→ http://www.webdokusho.com/shinkai/
夏石さんは、「新解さんリターンズ」という本をこの春に出す予定とか。楽しみである。
あちこち話が飛ぶが、今日の本は、新解さん本体である。超おすすめ辞書だよ。
日本一売れている辞典。これは誇張ではないと思う。こんな面白い辞書は、ほかにはない。夏石さんが言うように<人間臭さ>がプンプンするから・・・。
よく考えてみると、新解さんは【ビジネス版悪魔の辞典】(山田英夫著)や、【いぬのことば辞典】(きたやまようこ著)などと同じように、世の中の出来事の深層をついた解説があるところが特徴だ。
今やってる知的筋肉の鍛え方(ゆきなわさん、ふくみつさん、しんのすけ)も同じような路線をいっているような気がする。妙に親近感がわいてきた。
言葉を定義する・・・・これって案外面白い遊びだ。
毎日ひとつ・・・やってみない? 今日のお題 → 「会議」
★★★★★+臭い辞書
・辞書を探検をしたい方
・新解さんがすきな方
・言葉を進化させたい方