初めはできなくてもいい。できそうに見えればいいのだ。
この本は、「できる」というところではなく「思わせる」というところに本当の重心がある。
もちろん、ほんとうにできる奴!と認められることがいいのだが、最初からそうもいかない。そこで第一の方法は「実際はどうあれ、できる人に見せる」ことが重要だという。なぜなら、何もしないより、できそうに見える努力をすることで、チャンスがもらえる可能性があるからだ。ふむふむ。
本書ではできる人が3種類登場する。「頭のいい人(秀才型)」「底知れぬ人(大器型)」「才気ある人(才人型)」である。それぞれについて、会話術の実践講座やべからず集などが書かれている。
なかなか実践的で面白い。たとえば、頭のいい人にみせるセリフとして
その2つのことは、一見、まったく逆のことをいっているように見えて
実はそれほどかわらないと思う。
理由は3つ(2つ)ある。第一に・・・・
要するにそれは・・・・ということなの?
などがTPOにあわせて解説される。
隠喩を使え、物事をハスに見ろ、しゃべりには小見出しをつける要領で、反論すべきでないときは質問しろ、「xxさんがおっしゃったように」を多用しろ・・・などなど、イケてるセリフまわしが楽しい。
できる人のように見せるためには、そのように努力して振舞う必要があり、言葉や薀蓄を貯める努力も必要になる。そうするうちにチャンスが来て、10回に一回でもうまくいけば、本物に近づける。
「思わせる」ためのヒントの中に、ちょっとバージョンアップする自分を重ねてみたい。
たった1分でできると思わせる・・・
たった1本のメールで頼もしいと思わせる・・・
たった一言の助言で、心を開いてもらえる・・・
たった一本の電話で、信頼してもらえる・・・・
たった1束の花で、かあちゃんに許してもらえる・・・笑
そんなシチュエーションを想像してみるのもいい。イメージすると、次に本当にそんな時がきたときに、試してみることができる。
行動は、思うところから、はじまっている。
★★★★☆+できる
・自分をバージョンアップしたい方
・試すことがすきな方
・できる奴だと言われたい方