子供の頃にワープすると・・・
大正7年(1918)、童話雑誌「赤い鳥」が創刊された。日本の童話や児童文学はこの雑誌ぬきには語れないという。鈴木三重吉が主宰し、芥川龍之介や有島武郎らがペンをふるったという。
蜘蛛の糸(芥川龍之介)一房の葡萄(有島武郎)、ごん狐(新美南吉)など明治大正作品から、昭和初期、戦中戦後の作品48編が紹介されている。
「捕虜の子」(吉田絃二郎)が印象的だった。
ある村から出征した二人の兵士。一人は大きな戦果を上げて凱旋、ひとりは捕虜の汚名をきて引き上げ。当然二人の兵隊への風当たりは大違い。その子供は自分の置かれた境遇に悩む。しかし、その裏にあった真実は・・・。長い時を経て対峙する真実と父と子の約束。心にズンとくるお話。
一房の葡萄も、いいねぇ。ジムの絵の具を盗んでしまった僕が、先生やジムの心の広さに救われるというお話。誰にでもありそうな出来心をこんなふうに救ってもらったら人生変わるな・・・。
子供のころに戻って童話の世界にいってみよう。
僕は幼い頃、おじいさんから「たわらとうたひでさと」の話を毎晩聞いていたという。大きくふくらんだイメージは今も記憶にある。
それ以後はぷっつりと絵本や童話の記憶がない。小学校では本を読んだ記憶がない。今から思えば、当時、絵本を買ったりするような経済的な余裕もお話しをきかせるような時間的余裕もなかったのだろう・・・。
今は、とても豊かな時代。
こどもたちにはあふれるほどの絵本や寝物語を聞かせてあげたいねぇ。息子や娘たちが大人になって、子供ができた頃、あぁー私も小さい頃・・・って思い出してくれるなら最高だ。
★★★★★+なつかしい
・昔読んだ童話をもう一度味わいたい方
・お話し大好きという方
・読み聞かせをしたい方