会社は何のために存在するのか・・・
自分の会社は、何のために存在しているのか。そしてそこにいる自分は、何を目指しているのか・・・・そんなことを考えたことはあるだろうか。
「ない!」。。。うん、そういう人が結構多いかもしれない。
一方で、雪印、三菱自動車、かつての日産など、危機に貧したことがある企業は、否応なしにそういうことに社員全員が対峙したことだろう。
さらに、最近ではどんな企業も、CSR(企業の社会的責任)、SRI(社会責任投資)、環境会計などこれまでになかった企業の役割を意識せざるをえない情況になってきた。
しかし、何かヘンじゃないか・・・しっくりせんな・・・と僕は感じてきた。
たとえば、環境に配慮というのは後ろ指を刺されないために、コンプライアンスは、法律で指弾されないために・・・など、どことなく受身というかやらされモードというか、わくわくできない雰囲気があった。
そこで出会ったのがこの本。
本書の冒頭、田坂広志さんの「企業の社会貢献とは何か~経営社に求められる10の視点」に深い洞察があった。
社会貢献とは「受動的な義務」からではなく「能動的な使命」から出てくるべき思想だと田坂さんは言う。たとえば、環境保護という言葉、これには、単に環境汚染を引き起さないという受動的な義務だけではなく、その奥に自然環境と人間社会の共生を実現するという能動的な使命が存在している、という。そういう考え方こそが大事だというわけだ。(ふむふむ。)
本書では、田坂さんはじめ、ビルトッテンさん、西川通子さんほか8名の方が独自のGOODNESS思想を語る。GOODNESSとは、社会貢献のための企業理念みたいなものだ。
読み応えあり!
田坂さんの続きをいってみよう。
目指すべき経営は、「そもそも企業活動の目的は社会貢献にある」という思想で、株主利益の最大化ではなく、社会貢献の最大化を目指すべきという。そして、企業利益の一部を社会貢献に使うのではなく、企業利益を上げることそのものが「社会貢献」であるべきだという。(うーむ、深い!)
企業の価値はふたつ。企業の本業そのものが社会貢献になるという価値。そして、もうひとつは人材育成を通じて社会に貢献するという価値である。
人材育成のときの経営者の覚悟はこうだ。
当社で社会貢献するも、良し。
他社で社会貢献するも、良し。
この覚悟が必要だという。
社会貢献+人材育成=あなたの会社の存在価値 という視点で、今いる会社を眺めてみよう。昇進、業績、給与、ネームバリュー・・・そうしたものを超えたところに働く喜びがあるだろうか。
経営者の覚悟を問う田坂さんの一文は、深い眼差しの上に書かれていて、凛とした響きがある。お薦め!!
★★★★★+よい会社とは?
・仕事そのものを世の中に活かしたい方
・人の役にたつのがすきな方
・自分の価値を見つめたい方