誘われてみる?
20世紀で大きく世の中を変えたものの一つはコンピュータ。もちろんインターネットもある。コンピュータは、大型コンピュータでしかできなかったようなことが小さなパソコンでも実現できるようになってきた。
小さく、そして高機能に・・というのが流れである。
さてその次は・・というと量子コンピュータということになるらしい。本書は、現在、研究開発が進められている量子コンピュータについて、歴史や原理を分かりやすく(という意図で)書かれた本だ。
僕は(一応!)工学部の電子工学を出ているんだけど、この本はけっこう中身が濃い感じ、きっちり理解するにはヘビーな印象をもった。物理学やコンピュータのことが好きな方なら、興味深く読めるだろう。
ファインマン、朝永振一郎、ラザフォード、ボーア・・など高校の物理で出てきたような人の功績をたどりながら、量子物理学の歴史をおさらいするのは、ちょっと楽しい。
コンピュータの基本はビット(0:1)だから、量子コンピュータの素子でそれをどう扱えるかがポイントだ。これには電子の「エネルギー準位」と「スピンの状態」が使えるらしい。
静かに進んでいる量子コンピュータの開発の様子を覗いてみよう。
高校や大学での物理学は、じつはとてもつまらなかった。もう少し面白くする工夫はなかっただろうか・・・。
難しいものとっくきがわるいものを、面白ろおかしく、そして分りやすくする工夫は、結構楽しい。身の回りにあるそういうものを、言い換えてみたりする遊びもいいね。
★★★★+量子の世界
・理学部出身の方
・コンピュータがすきな方
・工学部出身の方