ブランドを『物語』で感じる
この本はブランドを物語でわかる本である。とっても面白い!
脱サラしておにぎり屋を開業した森山正太、53歳。念願のおにぎり屋「黄金にぎり」は開店3か月になるが、さっぱりうれず「破産」寸前に陥ってしまう。
味(モノ)はなかなかいい線なのに売れなかったのは、製品が消費者の心に届かなかったせいだ。つまり、デザインや売り方やブランドといった『コト』がたりなかったのである。
「良い製品」と「良い商品」の違いが分かるだろうか?
式にすると分かりやすい。
良い商品=良い製品+α
このαの部分こそ、ブランド戦略とか、マーケティング戦略とか、バリューとか、ウリとか、タグラインとか言われる「コト」に相当するものだ。
この微妙なところを、おにぎり屋の物語で実にうまく解説してくれる。
「おすし屋さんも食べています」というキャッチ(タグライン)、手提げ袋の工夫、お店のキャラクター「おにぎりマン」、ブランドコンセプト、クレームと顧客満足度の調査、ネット利用、社会貢献・・・さまざまな要素が入り混じり、黄金にぎりの物語は展開する。
軽快なテンポで展開する物語に、スッキリするポイント解説が快感である。「ブランド戦略」を学ぶ、新感覚“実用小説”の誕生である。
物語仕立てでビジネスを学ぶのは実に楽しい。世の中には、こういうスバラシイ本がときどきある。山田真哉さんの「女子大生会計士」の本などはその典型だ。頭で分かるより、心に残るほうがいい。IQよりEQだ。そういう意味で、物語はとてもいい。人の心にしみるツールである。
こんな面白い本を出した出版社はどこだ?と思ったら、あまり聞いたことがない会社。ナナンコーポレーション・・・ちょっと気になる。
で、調べたら・・http://www.nana-cc.com/kaisya_gaiyou/aisatu.htmlもとリクルートの社内報「かもめ」の編集長だった福西七重さんが社長の会社であった。福西さんの『冒険する社内報』もよまなくては・・。
この本、いろんな意味で広がる本である。(マインドマップ読書向きだねぇ)
★★★★★+こんせぷとぉ!
・ブランドについて学びたい方
・おにぎりがすきな方
・ビジネス物語を代みたい方