Not HOW, But HWY
著者はNPO法人ランチェスター協会理事長である。今は亡きだんなさんの岡田信夫氏の意志をついでランチェスター戦略の法則を広める活動をしている。
ランチェスター戦略はもともとは、第一次大戦のころ英国で考えられた空中戦における軍事戦略なのだが、その後米国で体系化されたものだ。日本では著者の夫である岡田信夫氏がはじめてマーケティング戦略として体系化したという。
ランチェスター戦略を簡単にいうと強者と弱者の戦い方をまとめたものだ。
強者は、確率戦で戦うべきだという(第二法則)。つまり、物量、広域、多数のお客様などのキーワードに代表されるように数の威力で押し倒すやりかただ。
ではそんなことができない弱者はどうするか。
それは局地戦で戦うことだ(第一法則)。自分が勝てる土俵をみつけて勝負するということだね。たとえば、中日新聞は、新聞市場全体ではマイナーな弱者だが、東海地方では全国紙を寄せ付けない圧倒的な強者の位置にある。局地戦で勝っているわけだ。
本書では局地を4つに分け、45の鉄則を解説している。
地域の差別化、商品の差別化、サービスの差別化、チャンネルの差別化である。
たとえばシルバー層の健康状態に合わせた旅行プランなど年齢に特化する方法、高額所得者層だけを狙う方法、など身近な具体例などが解説されている。
考える上で大切なことは、HOWよりもHWYだという。ふむふむ。
儲かる会社にするためのヒントを拾ってみたい。
飲料系ではカテキン茶なんていうのが中年太りの人をターゲットにしてヒットした。マーケティングの世界でターゲッティングと呼ばれる絞込みは、局地戦をいくということだ。
コンビニやCMなどでみかける商品、あるいは映画、ドラマなどで、へぇーと思う商品やサービスの戦略は何か・・・なんて考えるのもいいね。
あー、マーケティングで遊んでみたくなってきた・・・。
★★★★+局地戦
・ランチェスター戦略ってなぁにという方
・マーケティング部門の方
・局地戦が好きな方