2005年03月09日

「愚直」論 ~ 樋口泰行

成功=(熱意x経験)+愚直

書籍情報

「愚直」論  私はこうして社長になった
樋口 泰行
ダイヤモンド社 (2005/03/04)
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本のひらめき

熱い人である。

カバーの顔写真からも、実直で正義感にあふれ、決めたら絶対に折れない・・そんな雰囲気が伝わってくる。「愚直」とは多分に謙遜を含む表現だが、著者にぴったりフィットする言葉のような気がする。

本書は、45歳で6000人規模の企業のトップになった著者の半生記である。魅力的なリーダーの本を読んで、その企業を応援したくなる・・・ひさびさにそんな印象を持った本である。

著者の樋口さんは、大阪大学工学部(電子)を卒業後、松下電器に入社する。最初の仕事は溶接事業部門だった。いわゆる3Kの部署。それでも腐らずに頑張り、5年で6つの特許をとったりしている。その後OEM部門に異動し、MBA留学の機会を得る。ハーバードでのMBA留学の模様は、血のにじむようなきついものだったようだ。英語や競争の壁など生半可ではなかった当時の描写は、鬼気迫るものがある。

その後、松下に戻るが、成長できない焦燥感からボストンコンサルティングへ転職、さらにコンサル業も卒業してアップル、コンパックと渡り歩くことに。そして、コンパックを吸収したヒューレットパッカードのもと、日本の代表取締役社長となっている。

ガッツとハングリー精神で愚直に生きてきた著者の生き方は、読む人を熱くさせてくれる。

「どんなに厳しい環境でも、必死に努力して自分の存在価値を示せば次のステップが見えてくる」という著者の信念は、熱いメッセージとして読者の心に届くのではないだろうか・・・。


僕の思いつき

コンパックにいたとき、日本独自仕様のパソコンを作るべく、米国本社に乗り込むエピソードが語られている。3週間の交渉の末、米本社のサポートは一切なしであることと、自らの首とかけることを条件に、YESを引き出す。

ロジックやファクトだけでは十分ではない。どれだけ熱い言葉で語れるかがもっとも重要だったと、そのときの感想を述べている。愚直な人の熱い言葉は、スマートな人のかっこいいロジックをも突き破る。

そんな伝説のシーンをいつかは作りたいねー。

シナリオを書いておこう。そのときのために・・・。



オススメ度

★★★★★+愚直

読んで欲しい方

・社長を目指してる方
・人を使ったことある方
・事業が好きな方

Posted by webook at 2005年03月09日 11:18 | TrackBack