百年前の日本(写真編) ~ 小西四郎/岡秀行
タイムトンネル
エドワード・S・モース。誰だかわかるだろうか。大森貝塚の発見者といえばあーそういえば・・となるかもしれない。小学校の社会の時間で出てきたような。
モースは、1877年にはじめて日本へきている。以来3度ほど日本をおとずれ、東大の教授として近代考古学の基礎を築いた人である。
彼は滞在中に磁器や民具などさまざまなものを収集したようだ。本書はその中でも写真をテーマにした本である。これらのコレクションは、現在米国(ボストンのピーボディー博物館)に所蔵されている。
田植え、茶摘、巡礼、街道筋の模様、鎌倉の大仏、お祭り・・・さまざまな景色が当時の様子を伝える。
本書の発刊は1983年とある。そのおよそ100年前の様子が写真で紹介されている。そして20年後の今、僕はこの本をみていることになる。とても自然な雰囲気があり、当時の模様がリアルによみがえる。
100年といえばずいぶん長い間のような気もするが、ちょっと前という感じもする。万博の年、昔の様子をみてみるのも楽しいかな・・。
ボストン在住の方はぜひセイラム・ピーボディー博物館を訪れてほしい。
自宅に古い写真があるお家は、きっとこの本に登場するようなシーンの写真があるかもしれない。
昔の記憶がまだ記憶として存在しているうちに、それを記録にとどめておくのもいいね。
清家さんがやっている「昭和の記憶」NPOはそんな活動を組織的に進めている。昭和に限らず明示大正など古い記憶も記録にしているようだ。
→ http://www.memory-of-showa.jp/
★★★☆+モースの宝物
・セピア色の写真をみたい方
・昔の記憶を記録したい方
・モースってだあれ?という方