ファンタジー変換!
中学一年生のボクが、ひょんなことから中学校の校長先生を一年間勤めることになる。・・・本書は、こんな奇想天外なストーリーをもとに・・・マネジメントのルールをやさしく解説する本である。
教頭先生のイッシーおばさん(石井先生)、シゲちゃんは新任の体育の先生、文科省が送り込んできた皮肉屋のひょうタン先生など、楽しい設定がある。
ボクがやるのは、中学校のカイゼンだ。カイゼンってトヨタの専売特許だけど中学校だってあるんだ。例えば図書館。辛気臭い本ばかりじゃなくってコミックとかもっと皆が親しめる本も置くとか、校長室はいつもオープンにしておくとか、校庭の芝生化とか、企業とのコラボで体育の授業をやってみるとか・・
従来にない面白いことをやるんだ。
ボクは最初に校長室の開放をやった。なぜかって?
うーんとね、それは生徒や保護者に「アっ、この学校はよくなるな!」って感じてもらえる象徴的なシンボルにするためさ。これをシンボルのマネジメントっていうらしいんだけどね。これは当った!
「人を動かす立場にある人にもっとも必要な資質の一つは、コミュニケーションの勘どころをつかみ、シンボルがどこにあるかを探しあてること」だという。
本書に登場する経営の掟を紹介してみよう。
カイゼンは、シンボルを探し、そのツボを押すところから始めます。
失敗とリカバリーの繰り返しが強みをさらに強くします。
みんなが口ずさめる目標が一番です。
キャラをつかんで、うまく組み合わせましょう。
リズム感は、速い決定、実行、リカバリーのサイクルによって生まれます。
などなど。ビジネスも教育も社会貢献も同じく経営という視点では共通する点が非常に多いことに気が付く。
藤原和博さんのファンなら、本書を読んでニヤリとするに違いない。
なぜなら、ボクがやってることは、ほとんどが藤原さんが杉並中学などで実践してきたことに基づいているからだ。こんなことありえねぇって思うフィクションが、実は先に実践があったというわけだ。中学生が校長になるってこと以外はね。
登場する先生などが「坊ちゃん」にでてくる登場人物のようで、人情の機微がにじみ出てるのが楽しい。
ビジネス、教育、事業・・・さまざまなものを、子供の世界やファンタジーで表現するのが最近ちょっと流行っている。いい傾向だ。
伝えたいことをストレートではなく、ちょっとひねって別の形態で表現するのは楽しい。
年度計画や業績報告をアニメ仕立てにする
組織編成をハリーポッター風とかポケモン風にする
コーチングを動物占い風にする
などなど。いま取り組んでいるプロジェクトを「ファンタジー変換」して構想してみては如何?
よーし、僕もなんか考えよっと。うーむ、「学習塾を舞台にしたBSC+6シグマ」なんて面白そうだ。ついでにマインドマップも登場させちゃって・・・。あー悪乗りしそう・・・笑。(出版社さん、オファーまってまーす)
★★★★★+ボク、校長です
・中学生の子供がいる方
・校長先生になりたい方
・経営に携わっている方