僕、ホリエモン
JRの事故などいくつかの事件の影になり、ホリエモン騒動もすでに少し昔の出来事になってきた。
ほとんどの日本人が「勉強」したあのM&A騒動はなんだったのか・・・。本書はその背景と意味を分りやすく解説する。そしてこれから日本社会にM&Aというのが一般化していくことを予想している。晴天の霹靂は他人事ではないというわけだ。
昔も実はM&A騒動はいくつかあった。今回、子供や主婦層にまで注目された背景は、対象がなじみの放送メディアだったことと若いホリエモンがづかづかとモノを言うさまが面白かったことがある。ホワイトナイトだの新株予約権だのいろいろな言葉を、一般の人が口にするようになった。
ライブドアとニッポン放送の騒動を契機に、M&Aについてちょっと考えてみる機会にしてみたい。
M&A成功の3つの心得が紹介されている。
1)M&Aは買った後が始まり
2)買収企業には必ずNo1か2の実力者を送り込む
3)人間の尊厳を冒しては成らない。
江川詔子氏のホームページに紹介されたホリエモンの言葉はドキっとする。
「新聞とかテレビをわれわれは殺していくんですけど、自分たちが新聞や
テレビを持ちながら殺していった方が、効率がいいかなと思って・・」
要はネットで既存メディアを支配するという戦略だ。しかし、言葉としては、
かなりどぎつい。3)の観点から言えばもっと別の言い回しが欲しかったところだろう。
人間の尊厳を大事にしながらM&A後の経営をうまくやる方法はどんなものがあるのだろうか・・・過去の事例が紹介されている。
赤平炭鉱を住友炭鉱が買収したとき、乗り込んだ新社長はまず創業者の墓参りをしたというエピソード、あるいは後継者難の企業(年商10億円)を買収した36歳の社長(年商2億)の態度など・・・これらは参考になる話だ。
結局、人がついてこないとうまくいかないということだ。一方で、人が変わってくれないと(自己変革してくれないと)いけないという面もある。
M&Aでも合併でも、新しいリーダーはビジョンを示し、人のこころをわしづかみにする度量が必要だ。
★★★★+メディア支配
・ホリエモンみたいなことしたい方
・ホリエモンが嫌いな方
・買収されそうな会社の方