ニュースはPRだ!
テレビ東京の『トレンディたまご』(通称トレタマ)は、なかなかユニークな商品やサービスを紹介する。取材ネタになるととたんに世間の注目をあびて、売れ始めたりする。
人は、PRやコマーシャルにはちょっと身をひくが、ニュースや記事になると身を乗り出して聞きたくなる。第三者の声というのは、同じ事を言っていても注目度が異なるというのはいろんな世界に共通する。
本書は、ニュースを意図的に作ることでPR効果を上げ、対象の製品や人の価値を向上させる<サニーサイドアップ>社のビジネスノウハウを紹介した本である。 → http://www.ssu.co.jp/
具体的事例がリアルに紹介されており、とても興味をそそる。例えば
ポスター1枚からキムタクとシューズを演出した話
中田英寿ビジネス(nakata.net のブレークや「東ハト」の再生役CBO)
などだ。この他、スポーツ選手など個人ブランドの創造プロモーションでは、乙武くん(スポーツライター)、北島康介(水泳)、杉山愛(テニス)など、へぇーあの人の影にもサニサイドアップがあったんだぁと驚く。
SSU(サニーサイドアップ)という会社は『PRとはニュースをつくる仕事だ』と事業を定義したところが素晴らしい。クライアントの情報(商品)を広告やコマーシャル枠を買って宣伝のかたちで伝えるのではなく、メディアにニュースとして取り上げてもらって消費者に伝える・・ということだ。第3者情報の価値とでもいえばいいだろうか。さらに進んで、クライアントのブランドを創造するマネジメントまで進化しているところも注目だ。
田坂さんがニューミドルマンという呼び方で、情報のメキキ人のポジションを定義されていたが、SSUは、既存のマスメディアをニューミドルマンに仕立てるやり方ともいえる。
言うわ易し行うは難しであるが、広報宣伝にいる人は必見だね、これ。
日本企業は、どちらかというと現状肯定ベースのPR手法を続けてきたように思う。ニュースリリースを関係メディアに配って、もし気に入ってもらえれば取り上げてもらえる・・・という『あなたまかせ』『きまぐれ』戦略だったような気がする。
本書のサニーサイドアップは、そこに『ニュースにしよう』という意図と周到な作戦がある。
何事もただではニュースにはならない。どうしようもなく平凡なことや商品も何かを付け加えるととたんにニュースになる。
身の回りのありふれた商品、製品、サービス、仕事の結果、プレゼン資料をニュースにするにはどうしたらいいか・・・考えてみよう。
何かのイベントがあって、絶好のPR機会なのに社長の都合がつかない・・・なんてことがあったらどうするか・・・なんてことも考えてみよう。(ビデオ出演なんて方法もある。そのほうがかえって目立ったりもする:笑)
あきらめないことだねぇ。
★★★★☆+たのしいさわぎ
・広報部の方
・PRに興味ある方
・面白いこと大好きという方