攻撃と守備
本書の目次は図解になっている。本の中身の構造と伝えたい趣旨がとても分りやすいピラミッド構造で示してある。これをみただけでビビビっとくる。
ピラミッド図はこんな具合だ。(Font はMSゴシックなどで)
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/ 経営力 \
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/ 守備力 + 攻撃力 \
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/ 計の基礎(決算書と経営分析)\
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/ 経営分析がなぜ必要なのか、狙いは何か\
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儲けを生み出すための「攻撃力」と「守備力」を身につけるノウハウ」が解説されている。
守備力とは、資金の運動力(つまり総資産回転率)と財務の安定力(つまり自己資本比率)である。
攻撃力とは、利益の獲得力(つまり売上高営業利益率)と付加価値創出力(つまり一人当たり付加価値)である。これらがあいまって、経営力(ROA)が強くなるという構図である。
わかりやすい図解が多く、要約性と具体性の微妙なバランスで構成されているのが親切。経営分析を「体系化」して示してくれた点が、本書のもっともうれしいところである。
久々に頭スッキリの本である。(付録についている、業種別目標経営指標一覧も使えそう)
えーっあの企業が倒産?というニュースは、一見、突然のような印象を受けるが、突然の原因で起きることは稀で、予兆は3年くらい前からあるのが普通だという。多くは3つの過剰が原因という。
その3つとは
雇用の過剰
生産設備の過剰
借入金の過剰
である。これらの問題を先送りするか、本業回帰とスリム化を進めるか。ここが分かれ目らしい。
先送りされてる問題は何か・・・社長になったつもりで考えてみよう。
「経営陣の数字力不足、危機感欠乏症が会社を危うくする」という。確かに。数字力を鍛えて、危機感を持ってほしい経営者の方は、大手企業には結構いそうな気配も・・・なんちゃって。
★★★★★+ROA
・経営幹部の方
・後継者の方
・社長の方