夢は叶えるもの
東京の地下鉄駅に貼られている「のりかえ便利マップ」をご存知だろうか。
電車のどの位置にのれば、乗換駅で歩かなくてすむか、行きたいところへ行きやすいか・・といった情報がとてもわかりやすく表示されている。
僕なんかは、地下鉄に乗るときはホームで必ずチェックする必須の情報になっている。だれが作ったんだろう・・・って思ってたら、なんとそれは2児の母さんが発明したしたものだった。
本書では、その人、福井泰代さんが、発明のいきさつから起業にいたるまでを紹している。読むと元気のでる内容がある。
不便利の中にビジネス・チャンスがある。
福井さんが、のりかえ便利マップのインスピレーションを得たのは、1995年。JR西日暮里の駅で、赤ん坊をベビーカーに乗せて右往左往した時だった。
なんとかならないの!?というところから
「そうだ、どの車両に乗れば歩かずにすむか最初から分っていればいいんだ!」
というのりかえ便利マップのアイデアが浮かんだという。
のりかえ便利マップは、つくるのも大変。すべて足で調べ上げるという大変な労力を要する。その後、学生のオタク(鉄っちゃんと呼ばれている)を動員したりしてなんとか進めていくことになる。
しかし、一番大変だったのは売り込み。つまり営業である。どこかで採用してもらわないことには意味がない。コネなし、経験なし、知識なしの状態で、何度も出版社にアタック。半年もの苦労の末、学生援護会が関心をしめしてくれた。20万円也。しかし、このままでは終わらない。鉄道会社にアタックし、
苦心2年の末に営団地下鉄で採用となる。
この時の粘り腰こそ起業家としての福井さんを物語るエピソードといえる。こんなエピソードからなんだか元気がもらえる本だ。
ちなみに福井さんの会社「ナビット」はこちら。マンナビゲーションという面白いサービスを展開している。
→ http://www.navit-j.com/
ご本人のインタビュー動画がこちらにある:
→ http://www17.pos.to/~navit/hp/company/history.html#
福井さんは、もともと発明好きで、「指しゃぶりストップ手袋」とか、「モーモーおしゃぶり」など身近な発明をいくつかしている。
身近な不便利に、脳みそを働かせるかどうか・・・それが分かれ目。チャンスはそこに。
福井さんがやった人の手を介したナビゲーションは、僕もやりたいと思ったことがある。思っただけでなく、企画書まで書いた。途中であきらめたけど、うーむ、あれはまた復活させてみるかな・・・。
実は、今、僕の目の前にもそれが転がっていて、いろいろ試行錯誤しているところ。ハンキーパンキーの楽しい友達といっしょに考え中。うっしっし・・・智恵熱出してみよう。(うまくいったら公開するねぇー)
★★★★☆+不便利から
・アイデアを探している方
・不便利をなんとかしたい方
・発明大好きという方