歴史を逆回ししてみよう
「この1000年間に発明された最高の道具は何か」・・・この問いが本書を生み出したすばらしい質問だ。
質問したのは、ニューヨークタイムズの編集者デビッド・シップリー。21世紀を目前にひかえて日曜版でミレニアム特集をするから何か記事をかいてくれと言う依頼だ。それを受けたのが著者のリブジンスキー。
著者は、建築学や都市工学を教える教授だから、基本的に道具に対する造詣は深いのだが、調べていくとなかなか難しい。なぜなら、主な工具はここ1000年どころか古代エジプトやローマ時代からあるものがほとんどなのだ。ノコギリは、紀元前1500年まで遡るという。カンナも古代ローマ時代だそうな。
ところが、妻の一言に光明を見出す。「ねじまわしはどうなの?」
ここから「ねじ」と「ねじ回し」の旅がはじまる。
文献や工具カアログなど絵も添えられていて楽しい。歴史をねじとねじ回しで旅するというのはなかなか興味深いことだ。
多くの発明をした中国でも、ねじは知られていなかったらしい。
日本においては、種子島に漂着したポルトガル人から購入した火縄銃のネジが最初だったようだ。
普段の生活にごくあたりまえのネジとネジ回しから、楽しい歴史のたびをしてみよう。
人間がこれまで発明してきたすばらしいものは何があるだろうか?
自転車、自動車、お金、核兵器、文字、インターネット・・・いろいろな種類があり、便利なものから恐ろしいものまでいろんなものがある。
最近僕が一番面白いと思ったのは、CO2の排出量を取引するという仕組みだ。人類は、お金になるものをいろいろ編み出してきたが、ついに地球そのものを商売道具に変える術を思いついたことになる。
何かにこだわって探求すると一冊の本ができる。そんな印象をもった一冊だった。
自分がとことん追求したら面白いもの・・・何かないか考えてみよう。
★★★★☆+発明
・モノの歴史に興味ある方
・発明に興味ある方
・モノ作りが大好きという方