なぜ、書いてから話すといいのかね?
著者、大橋禅太郎さんは、シリコンバレーで「ガズーバ」といい会社を起業した人だ。その創業記もとても興味深く読んだ。インターネット上のマーケティング会社であるガズーバは投資家から10億もの金を集めた。しかし、当初、なかなか通りにはビジネスが進まなかった。
あるとき、投資家の一人が、マネジメントコーチのハワードにあってみてはと薦めた。始めは乗り気のしなかった著者だが、ハワードのコーチングを受けて「すごい会議」をする間にすばらしい気づきを得る。
本書は、そのときのプロセスを、まるで映画を見るように見せてくれる。そして読んだ人は、必ず(たぶん)、すごい会議のやり方を試してみたくなる。
で、すごい会議って?
僕的に言うと、「すごい質問」+「動ける表現」+「美しいフレーム」の会議といえる。
すごい質問とは、たとえば
「この会議の終わった後にどんな成果を期待しているか?」(紙に書く)
「いえない問題は何か?」
「あなた自身のひどい問題は何か?」などなど
動ける表現とは、
会社の抱えている問題は何か?といわれて、評価制度が悪い、上のリーダ
-シップがない、人が少ない・・などいくらでもでてくる。それらは、そ
のままでは、フラストレーションになるだけだ。そこでこう言い換える。
「どのようにすれば~~か?」
どのようにすれば評価制度が機能するか?
どのようにすれば上位職がリーダーらしくなれるか?
言い換えただけでずいぶん響きが異なる。(ここがポイント)
美しいフレームとは
すごい会議の流れ、何かを得るために必要なことを6つの枠に書く、コミ
ットメントの進捗を確認するアナログなやりかた、などなど。
大橋さんの気づきのプロセスを、共感しながら、読み進めるところが素晴らしい。うん、元気でますねぇ!
会議は、ほっておくと(いいかげんに進めると)95%がコメントの交換に終わるという。分る分る。
そこで、著者が進める方法は、「明確化のための質問」「代替案の提案」「リクエスト」の3つだけに絞ると面白いほど会議がはかどるという。
ひとつ、へぇーと感心したのは、コミットした目標の進捗管理。普通は、xx%できたとか、順調とか、遅れているとか表現して、なんとなく管理している気になるが、こういう方法が面白い。
このままいくとスケジュールどおりに終わるか、
でなければ何日遅れるか(あるいは早まるか)
予定通りなら「0」、一週間送れそうなら「-7」と書くのだ。これいただき。
本書でいっている会議の仕方は、ある意味誰でも試してみることができる。いいファシリテーターか、ビジネスコーチがいればよい効果が期待できるが、いなくても試してみる価値は十分ある。
早速、会議で試してみよう。うー・・・なんだか楽しくなってきた。
★★★★★+すごい質問
・会議をもっと意義深いものにしたい方
・ブレストがすきな方
・緊張感のある会議にあこがれる方