スピードが楽しい!
早朝会議・・・・といえば、この方。吉越浩一郎さん、トリンプ(女性下着メーカー)の社長である。
トリンプは、18年増収増益というめざましい成果を誇る企業である。この会社を支える大きな要素が早朝会議。そこでのスピード感あふれる質問と決断が成功要因であることはまちがいない。
もちろん朝早く会議をすればいいというわけではない。多くの企業がトリンプをまねて導入しているらしいが、うまくいっている会社ばかりでないことは想像に難くない。
早朝会議は、毎朝8:30から開かれるMS会議(マーケテイング&セールス会議)のことで、毎回40-50の案件が約1時間で片付けられるという。社運を左右する重要な議題も同じように扱われるときけば、えっ?となるのは僕だけじゃない。
本書では、どんなふうにやっているのか、ライブ感覚で解説されている。
議題は毎朝行われ、すべての事項にデッドラインがあり、基本は〆切が翌日までというのだからスピード経営そのものである。決まったことはその日のうちに実行に移されるという。タイトルの2分で決断というのは、大げさではないのだ。
仕事のキャパシティ=能力x時間x効率
だという。能力はそうそう上がるものではない。時間には限りがある。(この会社はなんと残業禁止!)。とすれば効率を上げるしかない。つまり、スピートということである。ふむふむ。
多くの会社が見学におとづれるという。(いかなくっちゃ)
本書には、このスピード重視というもっとも大切な哲学のほか、とてもユニークなものがある。たとえば、
12:30~14:30は、ガンバルタイム。私語、電話、歩くことは禁止。
残業ゼロ。なんと18:30には、自動で電灯が切られるというからすごい。
強制的な二週間のリフレッシュ休暇
禁煙には3万円の褒美。(破ったら倍の6万円の罰金)
ゲーム感覚でほうびと罰金の制度がある
あらゆるところにゲーム感覚がある
などなど、社長のリーダーシップはとても面白い。
だから、入社3年目の社員でも新規事業の立ち上げをまかされたりする。とにかく、やるきとすピードのある人はどんどん面白い仕事をまかされるという。すごい会社である。
あらゆる仕事はゲーム感覚でやれる。たとえそれが、コピーをとるとか、会議をセットするとか、毎日のルーティンとかでも。
本書に登場するエピソードは、鶴岡秀子さんが新人のときにやったマニュアルのコピーの話と似ていて、なるほど!と思った。
普段の仕事や家事などで「スピード」という要素を入れると、つまらないことが面白くなるものはないだろうか・・。考えてみよう。
人にやらされると嫌だけど、自分でやってみるのは楽しい。さらに仮説検証のプロセスがはいるともっと楽しい。
★★★★★+スピードという価値
・仕事が速いといわれている方
・早いことがどんな価値があるか試したい方
・せっかち大好きという方