その延長線上に僕らがいる・・・
大学生は遊んでばかりいる。大学生はバイトに明け暮れている。
こうした大学生に対する印象は何時の頃からか世間の常識としてまかり通っていたりする。最近ではさらに
フリーター志向が増えている。目標を持っていない。
などさらに評判を落とす言葉が並ぶ。
なんとなくそうかなー・・・と思ってる人は多いが、実際にどうかを確かめたことはない。そんな曖昧な印象が実は「よのなか」の常識でもある。
本書は、そこにメスを入れる。実際に聞いてみようじゃないか・・ということで、著者は、アンケート(2104人)とインタビュー93人(国公立私立9大学)を行い、そこから本当の学生の実態を浮き彫りにする。
本当はもっと勉強したい。自分に自信をつけたい。
どうやらこれが多くの学生の気持ちらしい。遊んでばかりいる・・というバッシングモードの印象とともに、なかなか捨てがたいいいとこあるじゃないかとホっとする。
著者は、以前中学生の「自信力」の国際比較調査もしている。
→ 自信力はどう育つか ( http://webook.tv/archives/000224.html )
中国、アメリカ、スェーデンなどに比べ日本の中学生は自信がない、というのがそのときの結論だった。今回は大学生。状況は似たような感じ。中学生に比べればましだが、やはり自分自身を物足りなく思ったり、自分の評価があまり高くない・・というのが結果だ。
本書では、ほんとうはもっと勉強したい、自信を持ちたいという学生達にどうしたらよい環境を提供できるか・・・大学、社会、そして私たちにできることを提案している。
自分を試す場、参加する授業、発表する機会・・・など、自信をつける機会をたくさん持つことが重要なようだ。
大学生が起業したり、インターンシップで自分を磨いたり・・・雑誌や本でとりあげられるような素晴らしい学生もいる。一方で、無気力でやる気のないニート予備軍の学生も多い。どちらも社会の変化の一旦を示す兆しではある。
大学生の人たちにもっと「自分を出す」場を作る・・そんな企業努力があってもいい。介護の場、教育の場、仕事の場、ボランティアの場。
大学、文科省、企業などが協力してそういう場を作ったらいいねぇ。
さて、身の回りの仕事で、何か学生の人たちに活躍してもらえるところはないだろうか・・・。 考えてみよう。あるいは、企業と学生をつなぐインフラを提供できないだろうか。これも考えてみよう。
★★★★+本当はもっと
・学生時代がなつかしい方
・学生を生かす場に興味ある方
・つなぐことが大好きという方