腑に落ちる・・・って気持ちいい。
会社の中は、企画を通すときも、事業計画の決定でもあるいは、ちょっとした会議でも、そこに必要なことは、係わる人の「合意」である。
会社の外をみても商品を売る時には、商品の価値に対して売る側と買う側の「合意」が必要だ。
その合意は、できればスッキリ、納得した上で成立していたい。久恒さんはそれに「腑に落ちる」という表現を当てている。なるほど、腑に落ちるというのは実に状況をよく表している。ノドに何かがつっかえているような合意ではなく、ストンと腑に落ちる納得なら、気持ちもいいし、なによりその次の行動につながる。
本書は、「合意」とは何か、どんな「合意」がいいのか、よい合意を得るためには何が必要か・・・を、久恒さんの具体的な経験を紹介しながら分り易く解説している。
大事なことは「説得型の合意」ではなく「納得型の合意」を目指すこと、またそういうものを目指すための工夫として「定性情報」を深彫りすること+図解を活用することが必要だという。(なるほど!)
図解は久恒さんはいくつかの著書で解説しているのでよくわかる。
定性情報をよく見つめるためには、生のデータを体よく丸めてしまうのではなく、ひとつひとつのゴツゴツ、ガタガタした情報をしっかり読む必要があるという。市民の苦情(定性情報)から、真にやるべきことを深堀したりなどの具体的事例があるので、とても分り易い。
久恒さんの図解の本は非常に分り易く、フムフムと納得した覚えがある。
そして、今回、合意術という新しい視点の本も、いたく納得感を覚える本であ
った。
これ、とってもお薦めの本!
世の中には、無理やり説得されたり、上司の顔色を伺ってしぶしぶ了解したり、お客さんのムリを飲んで仕方なく・・といった場面はある。
合意が成立する場面には、いろんな要素がうずまく。
例えば、今度飲み会をxxでやろう・・・・という場合でも、そこには感情的な反発もあれば、したたかな計算もあり、スッキリ納得する場合もある。
今のミーティングの合意は、どういう状況で生まれたのか・・・なんて、分析しながら会議を振り返ってみるのも面白い。(そのときは、当然、図解してみると非常に分り易いねぇ)
★★★★★+納得による合意
・会議が好きだった方
・腑に落ちることが気持ちいい方
・合意が大好きという方