シナリオで動かす!
志木市といえばこの方。穂坂邦夫さんである。市長に就任以来、さまざまなアイデアで行政改革に取り組んできた。
アイデアと行動力でさぞや楽しい首長をおやりになったんだろうな・・・と思っていたのだが、実際はたくさんの難問と格闘されてようだ。
地方における住民の無関心、護送船団システムの欠陥、名誉職的な議長や首長、議会の閉鎖性、議員の要請受付型体質、コミュニティの崩壊・・・などなど。
この実態を明らかにし、地方からの大胆な改革を提言するのが本書だ。
ただし、普通のやり方ではなくとてもリアルなシナリオで紹介される。
201x年にふるさとが消失する破壊のシナリオが初めに登場する。とてもリアルだ。堺屋太一ばりのミニ小説は非常に面白い。
後半は、地方大改革の再生シナリオ。これもリアリティがある。ただし、一度崩壊のプロセスがある。大多数の無関心はそういうのがないとどうしようもないのだ。
とっても読み応えあり、かつ考えさせられる。
財政破綻が目に見えているにもかかわらず、住民は無関心のままで何ひとつ行動せず、ついには破綻の危機に陥るという行政のユデガエル状態が、仮想の物語として本書にはとてもよく表現されている。仮想といいながらリアルなところが恐ろしい。
つぶれそうな状況でも、最後まで危機感がなくドンズマリになってしまう・・・・なんてケースは企業においても同じことがいえる。
もしそういう会社にいるのなら、シナリオをふたつ書いてみるのもいいね。
最悪ケース、再生ケース。
うーん、創作意欲がわいてきた。(僕は、こういうのが大好き)
★★★★★+シティマネージャー
・地方を変えたいと考えてる方
・地方自治に興味ある方
・変革大好きという方