複雑な世界、単純な法則 ~ マーク・ブキャナン + Jカレッジ
複雑の中の単純
地球(宇宙)は、複雑系の中で動いているらしい。アマゾンではばたいた蝶の影響が日本での洪水につながる・・・みたいな世界だ。
自然も人も経済も・・・さまざまなものが複雑に影響しあってものごとが動き結果をもたらす。
本書は、ネットワークの不思議な世界を科学する本だ。複雑系の一部をなす要素としてネットワークの科学を掘り下げた本だ。
人間の社会に数学的な法則と意味あるパターンを発見できるかもしれない・・というのが本書の仮説スタートポイントである。
そして、それは、どうやらあるらしい・・・。
ブログやメルマガ、あるいはセミナーなどで人を紹介してもらうと、「あぁ、その人なら僕も知ってます・・」なんてことがよくある。で、「世の中狭いですねぇ」なんて互いに打ち解けたりする。
「デンバーからニューヨークへ向かう飛行機で隣の席の男性が、40年前に父親と同級生だった」とか、見知らぬ人からの電話をうけ、聞いてみたら高校の同級生で、それが生まれて初めての会話だったり(これは僕の実話)といった「奇妙な縁」は実はそれほど奇妙ではないという。
ワッツとストロガッツという二人が1998年にネイチャーに発表した論考「スモールワールド・ネットワークにおける集団力学」が本書の原点になっている。その後、人と人とのつながり、経済活動、電力網、WWWなど人工の世界も自然の世界もネットワークの不思議な構造が存在するらしいのだ。
かなり大部な本だが、複雑な世界を、ネットワークの法則で解明しようとしている。とっても興味深く読める本だ。
本書には、いくつかの実験が紹介されている。たとえば場所的にも人間関係的にもつながりがなさそうな任意の人をえらんで結びつけるには、6次のつながりがあれば十分らしい。
僕の友達の知り合いの知人の関係者の・・・というふうに6回つなげていけばどんな人にもつながってしまうというレベルが6次というわけだ。だから、この世は「スモールワールド」なのだ。
誰か繋がりたいと思った人がいたら・・・6次で繋がれるというのは面白い。
ということは、なんでも思ったら行動してみれば何かおきる確率は高そうだということだ。
複雑系の面白い世界に生きているのなら、面白く生きてみたい。
★★★★☆+6次のつながり
・ネットワークが好きな方
・異業種交流に興味ある方
・複雑系が大好きという方