レセプターが要る!
血圧は140/80、階段を二段とびで上がる、大晦日には紅白歌合戦の審査員として5時間にもおよび観戦をこなす、2000年からは「新老人の会」を設立してノーベル賞にむけた研究を続ける・・・どうみてもすごいタフな先生としか思えない。しかし、日野原さんは、急性腎臓炎や肋膜炎などの病気にもなっている。
病気になったおかげでビアノを始めるきっかけになったという。これはひとつのセレンディピティ(幸運な偶然)だという。
生きている間に起こるすべてのことはセレンディピティに通じる。
これが本書のメッセージ。
日野原先生がはじめて命を看取った患者さんは16歳の少女だったという。その出会いも日野原さんの今を支えるひとつのセレンヂピティだったという。
本書では、ノーベル賞を受賞したひとたちの幸運や、世界一のダイヤの原石を発見した人のラッキーや、ポストイットの発明などさまざまな事象を「セレンディピティ」の視点から語りかける。
そして、その幸福な偶然を捕らえることができるのは、心にレセプターがあることが必要だという。
ノーベル賞、ダイヤの原石発見、マツケンサンバ、よど号ハイジャック、少女の死などさまざまなエピソードから、日野原さんのセレンディピティ論が展開されている。
とても、落ち着いた静かな流れの中で、なぜか心にジンとくる。あなたにも幸運な偶然を!
ココデシカ校長の松尾さんから教えていただいた森信三氏の言葉
人は出逢うべき人とは必ず出逢う。
しかも一瞬早からず、一瞬遅からず。
しかし自分にその思いがなければ、
面前にその人ありといえどもそれを知らず。
を思い出した。セレンディピティは、受け入れる人のレセプターの状態が重要らしい。
本書の最後に問題がある。
「自分はいくつ幸運な偶然をつかまえてきたか」
を数えてみてください・・というもの。
ぜひ、紙に書きだしてみよう! そこからセレンディピティのセレプターが成長しはじめるから。
えーっと僕の場合・・・・
★★★★★+レセプター
・シンクロニシティが気になる方
・偶然に興味ある方
・運は偶然じゃないよねっていう方